shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ザ・ビートサウンド・クラブ 【赤盤】 さっちゃん

2009-01-28 | Beatles Tribute
 ビートルズ・カヴァーの世界もついに来るとこまで来たか... と実感させられたCDがこの「ザ・ビートサウンド・クラブ【赤盤】/ さっちゃん」という子供向けCDだ。ジャケットは一目で分かる「プリーズ・プリーズ・ミー」のパロディーで、ファブ・フォーの代わりに可愛い動物のイラストが描かれている。レーベルはアップルならぬイチゴ、子供向けCDを謳っているわりには中々細部にも凝っている。中身はというとこれがもう爆笑モノで、ビートルズの楽曲演奏をバックに半ば強引に童謡を歌っているのだ。コード進行とか難しい音楽理論はよく分からないが、コレがとにかくよく出来ている。
 例えば「オブラディ・オブラダ」のピアノのイントロに続いて歌われるのは ”Desmond has a barrow in the market place” ではなく「あるぅ日 森の中~♪」...①「もりのくまさん」...だ(笑) 頭の中でイメージしてみてもらえばわかるが、これがまたコワイくらいピッタリとハマッていて、もう見事というかおバカというか、開いた口がふさがらない。全14曲こんな調子で笑わせてくれるのである。「ホエン・アイム64」そのまんまの②「五匹の子ぶたとチャールストン」はバック・コーラスから鐘の音までしっかりビートルズ・サウンドを模倣していてニヤリとさせられること間違いなし。
 イントロなしで始まる③「大きな栗の木の下で」は「プリーズ・ミスター・ポストマン」、強引にハードロックにしてみましたという感じの④「おはなしゆびさん」は「バースデー」、イントロがしっかりブギウギ・ピアノしてる⑤「ねこふんじゃった」は「レディー・マドンナ」、「さっちゃ~ぁぁぁんはねぇ~♪」で始まる⑥「さっちゃん」は「ミスター・ムーンライト」のパロディーだ。「抱きしめたい」のイントロで始まる⑦「小さな世界(イッツ・ア・スモール・ワールド)」は随所に挿入される手拍子がめっちゃエエ感じ(^o^)丿 巧妙にビートルマニアの秘孔を突いてきまんな。
 「イン・マイ・ライフ」調の⑧「いぬのおまわりさん」は間奏のバロック風ピアノまでご丁寧に再現しているし、⑨「ドレミのうた」ではイントロ部分は童謡そのままなのだが0分31秒からいきなり「涙の乗車券」のリフが乱入してきて笑わせてくれる。ただ、後半部のリフレインがないのが残念。「恋する二人」のハーモニカで始まる⑩「アイアイ」、途中でゾウの泣き声が入る「ルーシー・イン・ザ・スカイ」な⑪「ぞうさん」、「ロール・オーヴァー・ベートーベン」のイントロを使っただけという感じであまり芸のない⑫「とんでったバナナ」、「ジョンとヨーコのバラード」でのポールのバラケたドラムの雰囲気まで上手く再現した⑬「おもちゃのチャチャチャ」と続いていよいよラストの⑭「大きな古時計」だ。
 「レット・イット・ビー」の例のイントロに続いて「おぉ~きな のっぽの古時計~♪」...これは凄い!テンポや旋律が似ているせいもあるのだろうが、めちゃくちゃオモロイッ!!! 目からウロコとはこのことだ。ゴスペル風のバック・コーラスや本物そっくりのギター・ソロも含め、2つの曲がモノの見事に溶け合い、違和感は微塵も感じられない。ぜひポールに聴いてほしい1曲だ。
 尚、この【赤盤】には姉妹編「【青盤】/ ゲゲゲの鬼太郎」があり、そちらではアニソンとビートルズとが見事に合体!「ミッシェル」風のイントロに続いていきなり「ゲッ、ゲッ、ゲゲゲのゲ~♪」とか、「バック・イン・ザ・USSR」のジェット音に乗って飛んでくる鉄腕アトムとか... ビートルズ・ファンならハナシのネタに聴いておいて損はないと思う。

大きな古時計