shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

I Am Sam

2009-01-17 | Beatles Tribute
 私は音楽は三度のメシよりも好きなのだが、映画はあまり見る方ではない。この「アイ・アム・サム」も様々なアーティストのビートルズ・カヴァーが随所に流れる映画だからというだけの理由でレンタルした。しかし見始めてすぐにそんなことはすっかり忘れてしまうほど画面に引き込まれていき、父娘の心温まるやり取りのシーンの数々に柄にもなく(笑)感動してしまった。父親サム役のショーン・ペンの鬼気迫る演技、娘ルーシー役のダコタ・ファニングのもう言葉に出来ないくらいの愛らしさ、そしてここぞ!という所で流れてくるビートルズの楽曲がこの作品を一層見応えのある素晴らしいものにしていた。
 これはそんな「アイ・アム・サム」のサントラ盤である。だからもちろんCD単体で一つのビートルズ・トリビュート・アルバムとして楽しむことも可能である。しかしそれではこのアルバムの素晴らしさを100%体験したことにはならない。この盤はぜひとも映画を見た後で聴いてほしい。そうすることによって、その曲が流れてきたシーンが心に浮かんできて映画の感動がよみがえる。例えば①「トゥー・オブ・アス」(エイミー・マンとマイケル・ペンの夫唱婦随デュエット)は映画の最初と最後に流れるのだが、1回目はサムが赤ん坊のルーシーを抱っこしてスタバで働くシーン、2回目はルーシーを取り戻したサムが彼女のサッカーの試合で審判をしながら一緒に芝生の上を走り回るシーンで、どちらも歌詞の「これから二人で...」にピッタリ合っている。新しい保護者に引き取られていったルーシーに花束片手に会いに行ったサムが陰からじっと彼女を見つめ、結局会わずに引き返してくる切ないシーンで流れる⑤「悲しみはぶっ飛ばせ」(エディ・ヴェダー)なんかもうたまらない。父親と引き離されるのを恐れて施設を逃げ出したルーシーとサムが夜の公園で遊ぶシーンで流れる⑥「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」(ベン・ハーパー)、サムが仲間たちと共に風船を持ってアビー・ロードさながらに横断歩道を渡るシーンに流れる③「アクロス・ザ・ユニヴァース」(ルーファス・ウェインライト)... 歌詞の内容とそれぞれのシーンとが密接に結びついており、ビートルズ好きにはたまらない映画になっている。カヴァー・ソングとしての出来から言うと、ルーシーが赤い紙ヒコーキを拾うシーンで流れた②「ブラックバード」(サラ・マクラクラン)とエンド・ロールのバックで流れた⑦「マザー・ネイチャーズ・サン」(シェリル・クロウ)の2曲がダントツに素晴らしい。90年代以降の洋楽に疎いのでサラ・マクラクランという人は恥ずかしながらこの盤で初めて知ったのだが、もうクラクラするほど(笑)見事なヴォーカルを聴かせてくれる。彼女に歌われて曲が喜んでいるような、心に染みわたる名唱だ。映画に無関係な⑫~⑳に関してはハッキリ言ってオマケみたいなモンで、ヘザー・ノヴァの⑬「恋を抱きしめよう」とエイミー・マンの⑱「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」の2曲以外はクオリティー・ダウンの感が否めない。尚、⑳に日本盤とUK盤で違う曲が入っていたりとかUS盤は17曲しか入ってないとか色々とややこしいのでこれから買おうという人は注意が必要だ(←大した問題じゃないけど...)。 それにしてもルーシー、ホンマに可愛いかったなぁ... (≧▽≦)

Sarah McLachlan - Blackbird
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