
私の高校~大学時代にはまだ CD なんてものは存在せず、丹念にラジオのヒット番組をエアチェックし、気に入ったものだけをレコードで買うようにしていた。ある時 YUKI というシンガーの「ドゥー・ユー・リメンバー・ミー」という曲がかかった。それはキュートな歌声、キャッチーなメロディー、60'sの古き良きオールディーズを想わせるドリーミーなサウンド... その完全無欠といえるポップ・チューンに私はすっかりハマッてしまい、そのテープをヘビー・ローテーションで聴きまくった。しかし何故かその時はレコードを買いそびれてしまい、音楽環境もCD時代へと移り変わっていった。
それから約20年後、ある時この曲のカヴァーを耳にしてめちゃくちゃ懐かしさがこみ上げてきた。それはキタキマユという歌手がテレビドラマの主題歌としてリリースしたもので、YUKIヴァージョンに近い歌い方とアレンジが気に入り即購入した。う~ん、やっぱり素晴らしい!透明感のある歌声もこの曲にピッタリだ。そーなると今度は当然オリジナル・ヴァージョンを聴きたくなるのが人情というものだ。早速ネットで調べてみると既に廃盤ということで超高値のプレミアが付いていた。CD は1万円近かったので LP に狙いを絞り、何とか4,800円で落札した。
YUKI の正体は「おくさまは18才」の岡崎友紀で、彼女のLPが届いていよいよ念願の①「ドゥー・ユー・リメンバー・ミー」を聴く。「そんな気がぁしてぇたぁ~♪」と語尾の母音を伸ばす囁きヴォーカルがめちゃくちゃ可愛い。ん?このエコーのかかった奥行きのあるサウンドは私の大好きなウォール・オブ・サウンドやん!彼女のふんわりした歌声が醸し出す甘酸っぱい雰囲気といい、まるで80'sの「ビー・マイ・ベイビー」だ(≧▽≦) プロデューサーは何とあの加藤和彦... 60'sのフォーク・クルセダーズから70'sのサディスティック・ミカ・バンドと、日本のポップス界をリードしてきた鬼才である。これはもう期待に胸が膨らむ。
②「ウォッカ・ツイスト」は①とは打って変わってロカビリー調のナンバーで、イメージとしては加山雄三&ランチャーズの「夜空の星」にザ・ヴィーナスの「キッスは目にして」をふりかけ、それをYUKI のヴォーカルでかき混ぜたような、オールディーズ・ファンにはたまらない曲。思わず「ザ・ガードマンかよ!」とツッコミを入れたくなるような間奏部のギターのエレキな歌心に涙ちょちょぎれる。身をよじるように語尾を上げてアップテンポで歌う YUKI は私の知っていたアイドル・岡崎友紀とは別人のようだ。③「YOU MAKE ME HAPPY」は60'sと80'sが交差したようなどこか懐かしいサウンドで、YUKI のダブル・トラッキングを駆使した囁きヴォーカルがたまらない。
④「アイドルを探せ」は言わずと知れたシルヴィ・バルタンのカヴァーで、めちゃくちゃ深いリバーブをかけて加工処理された YUKI のヴォーカルが夢見心地へと誘う。ドタバタさせたドラムのビートも良いアクセントになっており、この辺りにも「フィル・スペクターごっこ楽しいです感」が横溢している。⑤「アズ・ティアーズ・ゴー・バイ」は何とあのローリング・ストーンズのカヴァー。意表を突いた選曲だが、YUKI のヴォーカルは曲の髄を見事に引き出しており、絶妙なサウンド・プロダクションも含め、私の知る限りこのベスト・カヴァー・ヴァージョンだと思う。⑥「メランコリー・キャフェ」はまるでヨーロッパのオシャレな映画を見ているようで、当時の加藤のサウンド志向を色濃く反映した仕上がりになっている。
モダンでありながらどこかノスタルジックな雰囲気を味わえるこのアルバム、隠れた名盤の筆頭に挙げられてしかるべき大傑作だ。
YUKI 『ドゥー・ユー・リメンバー・ミー』
キタキマユ - Do You Remember Me
岡崎友紀 アイドルを探せ
それから約20年後、ある時この曲のカヴァーを耳にしてめちゃくちゃ懐かしさがこみ上げてきた。それはキタキマユという歌手がテレビドラマの主題歌としてリリースしたもので、YUKIヴァージョンに近い歌い方とアレンジが気に入り即購入した。う~ん、やっぱり素晴らしい!透明感のある歌声もこの曲にピッタリだ。そーなると今度は当然オリジナル・ヴァージョンを聴きたくなるのが人情というものだ。早速ネットで調べてみると既に廃盤ということで超高値のプレミアが付いていた。CD は1万円近かったので LP に狙いを絞り、何とか4,800円で落札した。
YUKI の正体は「おくさまは18才」の岡崎友紀で、彼女のLPが届いていよいよ念願の①「ドゥー・ユー・リメンバー・ミー」を聴く。「そんな気がぁしてぇたぁ~♪」と語尾の母音を伸ばす囁きヴォーカルがめちゃくちゃ可愛い。ん?このエコーのかかった奥行きのあるサウンドは私の大好きなウォール・オブ・サウンドやん!彼女のふんわりした歌声が醸し出す甘酸っぱい雰囲気といい、まるで80'sの「ビー・マイ・ベイビー」だ(≧▽≦) プロデューサーは何とあの加藤和彦... 60'sのフォーク・クルセダーズから70'sのサディスティック・ミカ・バンドと、日本のポップス界をリードしてきた鬼才である。これはもう期待に胸が膨らむ。
②「ウォッカ・ツイスト」は①とは打って変わってロカビリー調のナンバーで、イメージとしては加山雄三&ランチャーズの「夜空の星」にザ・ヴィーナスの「キッスは目にして」をふりかけ、それをYUKI のヴォーカルでかき混ぜたような、オールディーズ・ファンにはたまらない曲。思わず「ザ・ガードマンかよ!」とツッコミを入れたくなるような間奏部のギターのエレキな歌心に涙ちょちょぎれる。身をよじるように語尾を上げてアップテンポで歌う YUKI は私の知っていたアイドル・岡崎友紀とは別人のようだ。③「YOU MAKE ME HAPPY」は60'sと80'sが交差したようなどこか懐かしいサウンドで、YUKI のダブル・トラッキングを駆使した囁きヴォーカルがたまらない。
④「アイドルを探せ」は言わずと知れたシルヴィ・バルタンのカヴァーで、めちゃくちゃ深いリバーブをかけて加工処理された YUKI のヴォーカルが夢見心地へと誘う。ドタバタさせたドラムのビートも良いアクセントになっており、この辺りにも「フィル・スペクターごっこ楽しいです感」が横溢している。⑤「アズ・ティアーズ・ゴー・バイ」は何とあのローリング・ストーンズのカヴァー。意表を突いた選曲だが、YUKI のヴォーカルは曲の髄を見事に引き出しており、絶妙なサウンド・プロダクションも含め、私の知る限りこのベスト・カヴァー・ヴァージョンだと思う。⑥「メランコリー・キャフェ」はまるでヨーロッパのオシャレな映画を見ているようで、当時の加藤のサウンド志向を色濃く反映した仕上がりになっている。
モダンでありながらどこかノスタルジックな雰囲気を味わえるこのアルバム、隠れた名盤の筆頭に挙げられてしかるべき大傑作だ。
YUKI 『ドゥー・ユー・リメンバー・ミー』
キタキマユ - Do You Remember Me
岡崎友紀 アイドルを探せ