shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

The Beatles 1962-1966

2008-10-31 | The Beatles
 ビートルズは私の音楽人生の出発点である。中1の時に友人から借りたこの The Beatles 1962-1966、通称「赤盤」を初めて聴いた時の衝撃は言葉に出来ないほど強烈なものだった。それまで音楽とはほとんど無縁の生活を送ってきた私にとって、この「赤盤」との出会いがその後の人生を決定づけたと言っても過言ではない。星の数ほどいるバンドの中でビートルズの一体何が特別だったのか... メロディーが覚えやすいとか、リズムが乗りやすいとか、コーラス・ハーモニーがすごいとか、そういう次元を超越して、彼らの音楽はとにかくエネルギーに満ち溢れていた。理屈を超えて心に迫ってくるものがあった。そういう意味では借りたのが「青盤」でなくてラッキーだったのかもしれない。確かに Let It Be もHey Jude も名曲だとは思うが、それは頭で考えての結果。やっぱり私は初期から中期にかけての「エネルギッシュに突っ走るロックンロールバンド」としてのビートルズにより魅かれる。 She Loves You の「♪ヤァー・ヤァー・ヤァー♪」を聴いて熱い衝動がこみ上げ、All My Loving のリズムギター三連符にのけぞり、A Hard Day's Night のイントロ「ジャーン!」でぶっ飛び、Help!(今でもこの曲が一番好き!)の疾走するようなスピード感にKOされたのだ。
 巷ではビートルズの公式ベスト盤は「1」ということになってるらしいが、とんでもない話だ。あんなもの、英米で1位になった曲を寄せ集めただけで選曲や曲の配置に何のポリシーも工夫も見識もない「エセ・ベスト盤」に過ぎない。そもそも世紀を揺るがす大傑作「ラバー・ソウル」から1曲も入ってないベスト盤なんてちゃんちゃらおかしい。その点この「赤盤」には「ラバー・ソウル」からちゃーんと6曲入ってるし、2枚組LPのA面からD面まで、選ばれるべくして選ばれた珠玉の名曲名演の数々がまさに「ここしかない!」という位置に置かれ、まるでトータル・アルバムのような大きな流れを生み出している。選曲したのはジョージ・ハリスン、見事としか言いようがない。
 今でも昨日のことのようにハッキリと覚えている。「たった一度の再放送!」と銘打って日本公演が放送された時の、羽田から都内へ向かうビートルズの車の映像のバックで、先導するパトカーのサイレン音がフッと途切れて一瞬無音状態になった後、静寂を破るように響き渡った「ミスタァ~ァァ、ムゥンラァァイ!」っていうフレーズを。ビートルズは今も昔も最高のロックンロール・バンドなのである。

The Beatles - Help

コメント (8)    この記事についてブログを書く
« It\'s All Right With Me / S... | トップ | Presenting The Fabulous Ron... »

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
皆勤賞! (シュミット)
2008-10-31 23:41:03
今晩は、シュミットです。

どこまで続くかと思ってましたが、とうとう10月は皆勤賞となりましたね。ご立派!

これまでのshiotch7さんのリスニング・ヒストリーが見事に浮かび上がってきてますね。さてさてこれから、どんな展開になっていくのかわかりませんが(なにせ「明日なき暴走」やからね)、大いなる乱高下を期待してます。
フレンチやオールディーズなんかは11月のお楽しみというところでしょうかね。
返信する
歴史の足音 (ヌケ作)
2008-11-01 00:04:00
ビートルズ「1」ですか?知りませんでした。
米・英シングル・ナンバー1ヒットばかり集めたやつのようですね!ざっと眺めたところ日本人というか僕の感性とはかけ離れたタイトルが入ってますね。どこがいいんでしょうね?「#ラヴ・ミー・ドゥー」・・・、ところで中学1年生の頃ラヂオで「9500万人のポピュラー・リクエスト」っていう番組を・やってました。今は亡き小島正雄さんがDJを務める、当時の音楽ファンなら熱くなる懐かしい番組です。
中一のある日、それは突然やって来ました!「I
want to hold your hand, The Beatles」、あの温厚な小島さんが些か興奮気味に曲を紹介された時、後のビートルズを誰が想像したでしょう?正直、僕もこのキノコ頭の4人組を好意的には迎えられませんでしたし寧ろ、「オジャマ虫め!」くらいに考えとりました。・・50年代~60年代を謳歌してきたアメリカン・ポップス元禄を木っ端微塵に破壊するなどとは想像だにしませんでした。
返信する
いけるとこまで... (shiotch7)
2008-11-01 00:45:51
シュミットさん、コメントありがとうございます。

正直なところ、自分でもいつまで続けられるんやろ?って思いながらも何とか10月を乗り切ることができました。何が飛び出すか自分でもわからない、まさに明日なき暴走ですが、どうか生暖かい目で見守って下さいネ!

>フレンチやオールディーズなんかは11月のお楽しみ
先ほどロネッツをアップしたんですが、すべてお見通しでしたか(笑)
返信する
10年早く生まれたかった... (shiotch7)
2008-11-01 01:12:46
ヌケ作さん、コメントありがとうございます。

「9500万人のポピュラー・リクエスト」ですか...60年代をリアルタイムで体験されたなんて、ホント羨ましい限りです!

記念すべきデビュー曲とはいえ、生粋のビートルズ・ファンの私でも「ラヴ・ミー・ドゥー」はキツイです。やっぱりビートルズのスタートは金パロ1曲目の「ワン、トゥー、スリー、ファッ!」(笑)でないと...
返信する
赤盤からスタート (蟷螂の斧)
2015-07-26 12:00:31
ビートルズ。
僕が初めて買ったシングル盤は「She loves you」。そしてアルバムは赤盤。
中3の2学期末テストが終わった頃に買いました。
何度も聴きましたねー!ヘッドフォンで聴くと、片方が演奏、もう片方がヴォーカルなんて曲も結構ありました。
A面B面は明るい感じ。しかし、C面D面になるとちょっと暗い感じまたは寂しい感じの曲もある。それがまた良かった。実際1966年にもなると彼らも疲れていたんでしょうね・・・。
返信する
同じく... (shiotch7)
2015-07-27 17:45:41
蟷螂の斧さん、
私のビートルズとの出会いも「赤盤」でした。
「オール・マイ・ラヴィング」や「ヘルプ」のようなノリの良い曲に飛びついたのですが
一方で「ノーウェジアン・ウッド」、「ノーウェア・マン」、「ガール」のような
不思議なムードを湛えた「ラバー・ソウル」曲群にも魅かれました。
あれからちょうど40年が経ったと思うと感無量ですね。
ビートルズに出会えただけで私の人生は満足です。
返信する
「ラバー・ソウル」曲群 (蟷螂の斧)
2015-07-29 20:54:11
「♪Ah girl! Ffff...Girl!」
あの切なさがいいですね。
「♪In my life I love you more」
結婚式で妻と一緒に歌いました。
「♪Nowhere man, please listen」
片岡義男氏は「ここにあらざる人さん」と訳していましたよね。
「♪And crawled off to sleep in the bath」
湯を張っていない風呂の中で寝たのでしょうか?
それとも・・・?

>ビートルズに出会えただけで私の人生は満足です。

僕も同感です!
返信する
たまらんですね (shiotch7)
2015-07-31 23:56:25
蟷螂の斧さん、
ラバーソウルって他のどのアルバムとも違う
独特の雰囲気があって
そこがめっちゃ好きなんです。
特にジョンの声と「ノーウェアマン」や「インマイライフ」「ガール」といった曲の組み合わせはたまらんですね。
返信する