shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Another Smash / The Ventures

2008-10-25 | エレキ・インスト
 ベンチャーズは「懐メロ・バンド」なんかじゃない。れっきとした「本物のロックンロール・バンド」である。今でこそハッキリとこう断言できるが、そのことに気付いたのはほんの3年前。私、901さん、plincoさんというジャズ好き3人衆が「木の葉の子守唄」の名演を持ち寄ってウチの家で聴き比べ会をやった時のこと、ハードバップ・キングの異名を取るplincoさんが選んだのはしかし、意外にもベンチャーズだった。「え?ベンチャーズ?」... 当時の私にとってベンチャーズは「ダイアモンド・ヘッド」「ウォーク・ドント・ラン」「10番街の殺人」「パイプライン」「ワイプアウト」の5曲で十分の懐メロ・バンドにすぎなかった。差し出されたLPに針を下ろすといきなりメル・テイラーのドラム・フィルが爆裂!シンプルかつパワフルなドラムの連打が素晴らしいグルーヴを生み出し、トレモロを多用したボブ・ボーグルのギターもめっちゃスリリング!この瞬間に私のベンチャーズに対する偏見は木っ端微塵に打ち砕かれた。何と言うカッコ良さ!これこそまさにロックンロールの原点である。それから約半年間、私は熱に浮かされたようにeBayでベンチャーズの60年代オリジナル盤を買い漁り、徹底的に聴き込んだ。いやぁ~、まいった。今まで知らなかった名曲名演のオンパレード、ゼッペリンやELPといった70年代初頭のブリティッシュ・ロック・バンドの元ネタの宝庫ではないか!ベンチャーズに対して目を開かせてくださった plinco さんには足を向けて寝られない。そんなベンチャーズ再認識のきっかけとなったこのLP、まずはジャケットに注目である。何これ?Another Smash で「強打をもう一発」って... そのまんまやん!それもバイオリンで殴るか、ふつう...(>_<) そのせいか、2ndプレスからは大の字に手足を広げた人間のシルエットのジャケに差し替えられてるけどね。中身の方も「木の葉の子守唄」「ブルドッグ」「ライダーズ・イン・ザ・スカイ」といった傑作が目白押しだが、その中でも個人的に愛聴してるのがB-5のGinchy。元々「木の葉」のB面として発売されたもので、テンポをちょっと下げたら「二人の銀座」になりそうな(ならんならん!)物悲しいメロディーをフェンダー・ギターが奏でる隠れ名曲。この盤をお持ちの方は一度そういう耳で聴いてみて下さい。

The Ventures - Lullaby of the Leaves

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