ジプシー・スウィング界のニューウェイヴ、Gypsy Vagabonz は「女性ヴォーカル+ギター2本+ベース」の男女混成ジプシージャズ・ユニット。vagabond とは英語で「放浪者」という意味で、「ヴァガボンズ」と発音する。決して「バカボン」ではない。「ネオ・スウィング系乙女ジプシージャズ」というのがキャッチフレーズらしい。さっそく試聴サイトを見つけた。そこに5曲アップされており、聴いてみてめっちゃ気に入ったので即購入。全7曲(①は曲というより②のイントロっぽい作りなので実質6曲)わずか19分17秒のミニアルバムだが、いきなり②BOOM BOO でガツーン!とやられる。ジプシー・スウィングをロカビリー風味で料理し、J-Popsをふりかけて一丁あがり、みたいな愉しい曲。何でもアリの無国籍サウンドといった感じだが、これでいいのだ。で、それに続くのが③のThe Gift、これには完全にKOされた。先日のカフェ・マヌーシュのライブでも大喝采を浴びていた人気曲で、この曲の持つ哀愁とジプシーギターのサウンドが絶妙なマッチングを見せており、涙ちょちょぎれる素晴らしさ。もう1曲のスタンダード⑤I LOVE PARIS も完全にマヌーシュ曲と化し、原曲よりもずっとテンポを上げることによって独特なグルーヴ感を生み出すことに成功している。しかし一体誰がこの曲をジプシー・スウィングで演奏しようなどと思いつくものか?ホンマにええセンスしてるよなぁ。それはそうと試聴サイトにあった Love Me Or Leave Me と Just One Of Those Things が何故このCDに入ってないんやろ?特に1分ジャストでフェイドアウトしてしまう Love Me... はぜひフル・ヴァージョンでCD化してほしい。Just One Of... の方はライブ音源で、コレが又めちゃめちゃカッコエエんよね。ライブといえば YouTube にアップされてる The Gift も凄いノリで、ギター2本の「ジャガジャガジャガ」とかきむしるような迫力満点のプレイに圧倒されること間違いなし。理屈じゃなくてハートでプレイするVagabonzの新感覚ジプシー・スウィング... 荒削りなところもあるが、これでいいのだ!
The Gift / Gypsy Vagabonz
The Gift / Gypsy Vagabonz