shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

今はまだ人生を語らず / 吉田拓郎

2009-06-14 | J-Rock/Pop
 今日 plincoさん、901さん、私の3人で阪神百貨店レコードCDバーゲンに行ってきた。最近はネットオークションやアマゾンばっかりで実際にレコ屋に足を運ぶのは去年のゴールデンウイークの同バーゲン以来だから約1年ぶりだ。どんな掘り出し物があるかと数日前から楽しみで楽しみでワクワクしながら週末を待っていた。
 待ち合わせ時間の1時すぎに阪神8Fのバーゲン会場に到着、一昔前なら立錐の余地もないぐらい混み合っていたはずなのに、会場はスカスカである。最盛期の5~6割ぐらいの入りではないだろうか?もちろんCD不況のせいもあるだろうが、いつも大体同じような商品ばかりを並べて涼しい顔の参加ショップ群の経営努力不足も大きいだろう。値段もそんなに安くないし、最近はあんまりメリットを感じられなくなってきている。2~3回足を運んで何も掘り出し物がなければ次からはもう足が向かなくなるのが人情というもの。ただでさえ世の中がネット中心になってきているというのに危機感ゼロだ。
 会場全体を見渡してターゲットを歌謡曲、ポップス、ジャズのCDに絞って猟盤開始... う~ん、目ぼしい盤が全然ない。浜崎あゆみとか、宇多田ひかるとか、粗製乱造されたJ-Popsばっかりで私の欲しい昭和歌謡CDは皆無に等しい。おっ、山本リンダみっけ~と思ったらワケの分からないリミックス集だし(>_<)、荻野目チャンもキョンキョンもみんな持ってるのばっかりだ。邦楽は収穫ゼロか...と思って諦めかけていたら最後のエサ箱でとんでもないモノを見つけた。吉田拓郎の「今はまだ人生を語らず」である。
 それがどーしたソー・ホワット、一体何をそんなにコーフンしてんねんと思われるかもしれないが、この盤の1曲目に収められた拓郎屈指の名曲「ペニーレインでバーボン」の歌詞の中に“見ている者はいつもつんぼ桟敷~♪”という部分があり、これが “差別を助長する” ということで(←アホか!)CDは生産中止、再発の可能性ゼロ、1990年以降この曲はどんな形でも一切リリースされておらず、中でも一番酷かったのは「ペニーレインでバーボン」というタイトルを付けたベスト盤に同曲が入っていない(←ほとんど詐欺やん!)という憂うべき状況なのだ。その結果、中古CDには鬼のようなプレミアが付き、ヤフオクやアマゾン・マーケットプレイスでは2万円前後で取引されているのが現状だ。CD1枚に2万円だなんてハッキリ言って狂気の沙汰だ。だからエサ箱の中にこの盤を見つけた時、一瞬 “エッ??? うっそ~” と思い、すぐに値段を確認した... 1,150円だ。ゼロ一つ落としたのかと思ったが、一緒にゲットした拓郎の「元気です」も同じ値付けである。一体どこのショップか見てみるとフォーエヴァー・レコードだ。なるほどね。ここは60~70年代のルーツ・ロックが主流のお店なので、きっと邦楽の相場に疎いのだろう。ラッキィー(^O^)/ 
 実を言うと「ペニーレインでバーボン」という曲自体は幸いなことに90年以前に出たベスト盤に入っているのを持っているので今更どーということはないのだが、一蓮托生というか連座制というか、いわれなき言葉狩りの道連れにされた残りの11曲と共にオリジナル・フォームで聴けるというのが何より嬉しい。正直言ってこんなメガレア盤を超安値で見つけられるとは思っていなかったので大はしゃぎしてしまい、お二人に不思議がられてしまった(^.^)
 ここまで書くと何か値段が独り歩きしているように思われるかもしれないが、中身の方も文句なしに素晴しい。74年録音、つまり拓郎がノリにノッていた時期の作品で、①「ペニーレインでバーボン」以外にもアルバム・タイトル曲②「人生を語らず」や⑤「シンシア」、⑦「襟裳岬」といった名曲が目白押し。ラストの⑫「贈り物」は拓郎にしか作れないディラン的サウンドに乗せた痛々しい歌詞が胸に突き刺さる隠れ名曲だ。
 結局阪神バーゲンの収穫は拓郎のCD2枚だけだったが、共にCBS時代の拓郎を代表する傑作アルバムで、私としては大満足。やっぱりたまにはレコ屋に行ってみるモンやなぁと実感した1日だった。

「つんぼ桟敷」を「蚊帳の外で」に変えて歌ってる貴重な映像です↓

吉田拓郎 ペニーレインでバーボン つま恋コンサート2006
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