shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「恋はあせらず」特集

2009-06-16 | Cover Songs
 自分が “これは大名曲!” と信じた曲がチャート上でイマイチな成績だったり、逆に “一体コレのどこがエエねん?” と感じた曲が1位になったりして大衆の好みと自分の感覚のズレを痛感するというのはポップス・ファンなら誰でも経験のあることだと思うが、フィル・コリンズの「恋はあせらず」の3週連続10位が最高位というのは私にとって “納得できないワースト5”ぐらいに入る摩訶不思議なチャート・アクションだった。私の感覚では “チャートを超特急で上がっていって2週連続№1、その後急降下(笑)” ぐらいのヒットにはなると思ったのだが... とにかく最高10位というのは低すぎる!このフィルのヴァージョンは60'sのモータウン・サウンドを細部に至るまで巧く80's風にリメイクしてあり、実によく出来たカヴァーだと思う。私はオリジナルのスプリームズよりも先にこのフィル・コリンズ・ヴァージョンを聴いてすっかりこの曲のファンになったという完全な80's世代の人間なので、今でも私にとっての「恋あせ」といえばスプリームズよりもフィル・コリンズなんである。ということで、今回は「恋あせ」のカヴァー比較でいってみます:

①Supremes
 元祖「恋あせ」は弾むようなベースにタンバリンで強調されたビートという、典型的なモータウン・サウンドの傑作。ホール&オーツの「マンイーター」やスティーヴィー・ワンダーの「パートタイム・ラヴァー」、そして桑田師匠の「太陽は罪な奴」の原点にもなった、真に偉大な曲なのだ。全米チャートでは66位→28位→7位→4位→1位という急上昇ぶりで、同時期にリリースされたビートルズの「イエロー・サブマリン」の1位攻略を阻むほどの大ヒットになった。
You Can't Hurry Love/The Supremes


②Jackson 5
 マイコーがまだ子供だった頃のジャクソン5の未発表音源。この曲をバックに次々と登場するマイコーの写真には感無量だ。外見的には「今夜はドント・ストップ」~「スリラー」あたりの頃が一番かっこ良かったと思うのだが、「バッド」の頃からの外見的変化を見るにつけ、 “人種差別” というアメリカ社会のダーク・サイドが彼のようなスーパースターの心をもむしばんでいたことを痛感させられる。
Can't Hurry Love: Jackson 5


③Phil Collins
 フィル・コリンズのこの曲を語るのにビデオ・クリップは外せない。このキューピーおじさん、とにかく一人三役で歌い踊ってその身体の動きがめっちゃコミカルでキュート(笑)やし、歌うのが大好きって感じがダイレクトに伝わってきて、見てるこっちも楽しい気分になってくる(^o^)丿 それにしても聴けば聴くほどエエ声してます。


④Dixie Chicks
 映画「プリティ・ブライド」に使われたディキシー・チックスによるカヴァー・ヴァージョンをバックに「リトル・マーメイド」「美女と野獣」「アラジン」「ヘラクレス」といった数々のディズニー映画の名場面の映像を繋げた「ディズニー・チックス」、何故かこの曲のテンポとキャラの動きが何気にマッチしていて見ていて実に楽しい作品になっている。これ見てるとディズニー映画を見たくなってきた(笑)
Disney Chicks- Can't hurry love


⑤Alison Krauss
 アメリカvsヨーロッパのマッチ・プレー・ゴルフ対抗戦 “ライダー・カップ2004” のオープニング・セレモニーで、ブルーグラス界の歌姫、アリソン “グラミー” クラウスがこの曲を歌った貴重な映像。大好きな彼女の歌声でこの曲を聴けるなんて夢にも思わなんだ... YouTubeに感謝やね(≧▽≦) それにしてもブルーグラスのファンってかなり保守的な白人層みたいで、ステージとは対照的にオーディエンスのシラケっぷりときたらハンパではない。もう完全に引いちゃってますなぁ...(゜o゜) カメラもそのあたりの微妙な空気を察知してか客席を頻繁に映してるような気がするのは私だけ?
Alison Krauss - You Can't Hurry Love
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