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占いという もう一つの眼

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2025年04月06日 | 日記・エッセイ・コラム

いよいよトランプ関税が発動されたが、世界中を対象としているため、米国がケンカを売ったと言うより、戸を閉めて閉じこもったと見るべきで、報復関税は、戸を閉めた相手に怒って、自分も戸を閉めて閉じこもる滑稽な夫婦ゲンカだ。

サル社会なら、ボスザルが突然いなくなれば、ボスの座を狙っていたナンバー2がボスのような態度をとろうとする。当然、ナンバー3や4との争いが起こり血を見る。しかし、人間はほんの少し複雑だ。
米国の隠遁宣言を聞いて、中国がさっそく、米国に変わり世界貿易システムのリーダーになると宣言した。これは、単純にこれまでのシステムの長の座に居座る宣言で、カニ達が苦労して築いてきた果樹園で柿を食い散らかしてきたサルが、果樹園の管理人になると言うのだから、誰も耳を貸さないが、中には、岩戸に隠れたアマテラスに出てきてもらうために、「あなたより立派な太陽が出てますよ」とサルを担ぎ出すカニもいるかも知れない。

トランプの隠遁政策を100年前の孤立政策と同様に解釈する人が大勢だが、歴史は単純には繰り返さない。らせん状に進んでいく。
百年前は米国はまだ成長期だったが、今は衰退期だ。干渉を嫌って家出した少年と、スネをかじられてヨレヨレで鍵を閉めてしまった老人では、今後の可能性が違う。
これからの世界は過去百年と同じではない。技術革新は鉄ではなく情報の時代だ。国と国境が消えていく時代を先取りし、国家単位の経済政策を超越したビジョンによって足下の国家政策を進めていかなければならない、過去と未来の岐路にある。

過去のグローバリズムは国家を前提としていた。真のグローバリズムに国家は邪魔者でしかない。トランプが突きつけているのは自覚無自覚にかかわらず、国家へのアンチテーゼだ。過去の国際社会が国家共存を目指してきたのに対し、ビジネス視点の取引は国家共存の破壊であり、結果は国家の否定だ。そして、それは結果的に時の趨勢でもある。物流と情報によってつながる世界に、国家システムがいかに障害であるかは、人類的視点で考えれば間単に解る。
トランプは警鐘だ。世界各国は中国のような覇権主義国家に呑み込まれるか、逆に国家を解体するかの選択を迫られている。

当然、今すぐには完成しないが、超国家的な経済圏を形成し拡大していくことで、覇権主義国家を陳腐化し解体することが可能になる。
今、日本にできることは、米国に依存しないCPTPPのような経済圏を強固に拡大していくことであり、当然、覇権国家は排除しなければならない。国家の都合であの手この手の協定破りの貿易制限をするような国とは関われない。
既存の経済協定の利用を企む中国に対し、 CPTPPの強化拡大こそ未来への突破口であり、欧州をも呼び込み超国家的経済協定として米国の参加を待つべきだろう。
歴史的に見れば結果的に、米国はいつも日本のためになる。今回も、実にありがたいチャンスをくれたと感謝すべきだろう。


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