トランプ関税に、日本の世論も「対抗関税を」と叫んでいる。これは、マスコミ(旧メディア)のミスリードだ。
マスコミは野次馬だから、目先の変化しか伝えない。カナダや中国が対抗関税を打ち出したと、あたかも主権国家のあるべき姿のように報道し、国家のプライドをあおることで、国民世論が「日本も主権国家らしく報復しろ」と反応するのは自然のことだ。
中国政府を代弁する香港メディアも、「カナダやフランスが対抗するのに、日本とベトナムはひざまずいた」と、中国に同調するように日本をあおった。
一方、EUは米国に「相互関税”0”」を提案した。『裏の裏読』で、国家がある限り無理だろうと言ったが、仮とは言えEUが提案したことは、少なくとも、対抗関税や”特別扱いのお願い”をするより、実相をよく理解している。流石と言うべきか。
同盟国同士で「相互関税”0”」にすることは、経済戦争の連合国になることだ。トランプのブレインが言った、「米国に付くのか中国に付くのか」のストレートな答えはこれしかない。
ディテールに着目する日本人は、何%損か得かと騒ぎ、トランプのディールだろうと無意味な勘ぐりばかりで、事の本質を考えようとしない。核心は「経済戦争」であり、敵は中国だ。
仮に、自由主義国が「相互関税”0”」によって共同戦線を張り、経済戦争に勝利すれば、新しい「国際連合」が生まれる。第二次大戦によって生まれた国連の不都合を除去し、新国際秩序が可能になる。
中国はトランプのトラップに引っかかり、関税をせり上げ、拳を下ろせない。一方で、自由主義国が一斉に無関税連合を組めば、改めて中国を蚊帳の外に追い出すことができる。ここで、重要なのはロシアを、無関税連合に引き入れることだ。第二次大戦で西側は黙ってソ連と手を組んだ。それが、大きな敵を前にした戦争の現実だ。
マスコミは、この情勢のダイナミズムを理解せず、野次馬の空騒ぎばかりしている。
「相互関税”0”」が現実になるかならないかではなく、事の本質を探る視点から報道すべきだと思うのだが・・・セクハラ騒動ぐらいしか理解力がないようだ。
そして、この馬鹿げた笛吹きマスコミを永らえさせているのも日本人なのだから、何を言っても始まらないのかもしれない。
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