魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

異国の風

2011年08月07日 | 日記・エッセイ・コラム

30年以上前に新聞は無くなると思っていたが、テレビとセットでマスコミ全体が、来るところまで来た。

どのテレビを観ても、これは何処の国だ?と、誰でも思っていただろう。その、素朴な気持ちをツイートしただけの俳優が解雇された。
もう、ここは日本じゃない。

海外番組が流れることは良いことだ。様々なドラマに内在するその国の文化や価値観を知るには大いに役に立つ。
しかし、明らかにバランスを欠いている。
朝から晩まで、一国だけのコンテンツが、どのチャンネルでも流れている。

マスコミに着目するのは、状況人間の天性だ
原理やビジョンではなく、状況に反応し状況に生きる人であり、唄や踊りが人を動かすと信じ、自分も唄って踊って生きている。
七面倒くさい理屈や方法論を嫌い、職人的な「本質」の世界を理解しない。だから、職人の努力や智恵を、生き様や格好良さだけで語る。

状況人間は、どちらかと言えば暖かい地域に多く、地味で粘り強い複雑なことを好まない。この逆に、寒い地域は職人的で内向的だ。

暖かい西日本の唄や踊りは身体で表現するものが多く、熱狂的な裸祭も西に多い。ところが、東日本は衣装や道具に凝ったものが多い。
ねぶたや竿灯、七夕、カマクラなど、人より道具の方が目立つ。

西の熱気や目立ちたがりは、一流好きや、芸能志望、マスコミ志望に現れる。
九州出身の歌手芸能人の多いことや、焼酎のCMの上手さ、九州出身の広告業、新興宗教、ジャーナリストやアナウンサーの多さが物語っている。当然、マスコミは表面面だけを追うことになる。

状況人間は、目立ってなんぼも良く心得ているから、ブランド洗脳も上手い。九州名産と言われるものは数多くブランド化しているが、よく見れば、それほど手が込んでいるとも思えないものを、大層な勿体ぶりようで売る。『0ルン0クル』とか、『0レラ』とか、「3パック限定」とか、「吹き込み」で勝負している。

また、巻き込む早口の九州弁もインパクトがある。O型の知人など、甲高い九州なまりでTV通販の王者になった『0ネット』の社長の、熱烈なフアンだ。

目立ってなんぼのCMで、大当たりしたのが、大人気の『おとうさん犬』だ。CMにはスポンサーの正体が現れる
日本中が可愛いと思っている、主人公が「犬」という世を忍ぶ仮の姿の設定には、経営者の魂胆が、如実に表れている。
ますます売れているそうだ。

日本再興のよりどころ西を少し行き過ぎた
この九州気質の、素朴な原点は沖縄だが、ハッキリ目的化しているのは、世界の日本ブームにヒントを得た韓国だ。国策としてコンテンツビジネスを打ち出し、売れるところならどこにでも売り込んでいる。

日本の場合、日本国内の東の凝り性と、西の売り込みが一体化して、一つの日本ブランドができあがった。東西一方では成り立たない。

この東西現象をもうすこし広げれば、西の韓国が東の日本を売り出していることになる。これがあらゆる産業に起こっている。
しかし、韓国は九州でも沖縄でもなく、日本を不倶戴天の敵として、日本がどうなろうと知ったことではないのが国是の国だ。
沖縄や九州のように、心も経済も同じ釜、同じ財布ではない。

そんな国のコンテンツが、朝から晩まで放送され、それを批判した俳優が首になる。しかも、この事件について、マスコミは沈黙している。
朝から晩までTVの前で、口を開け涙を流して観ている人は、全く事態に気づいていない。

ナショナリストでも、民族主義者でもないが、この現象は客観論として、異常だと思う。
近頃、ますますテレビを観なくなった。

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