電力不安にたたみ掛けるように、株価は乱高下し、前人未踏の円高時代が来ると、経済界ではパニックになっている。素早い企業はもう既に韓国や中国に拠点を移動している。
「傾城大陸」
円高時代などそう長くは続かないが、マネー爆発による大崩壊なら考えられる。運命の呪縛から逃れられるほど人類は賢明ではない。
84年前の、昭和初期と同じような風景が見えてきた。
マネーゲーム、生産過剰、気候変動、食糧不足、無能政治・・・
これらが絡み合って、世界経済の屋台骨が崩れる。
「土星が天秤座に」
これから先の「いつか来た道」は、産業革命パラダイム故に、必ず起こる定期的な矛盾の精算だが、今回はもっと大きな精算をしなければならなくなるだろう。産革パラダイムそのものの精算であり、250年に一度の、パラダイムの大転換になる。
燃やすエネルギーから再生可能エネルギーへ
産革パラダイムは、ワットの蒸気機関に始まる時代であり、化石燃料を「燃やして」廃棄物を垂れ流した時代だが、次の時代は何も廃棄しないエネルギーと、資源の循環利用のクリーン時代になる。
原子力は、一見クリーンに見えるが、今回の事故で思い知ったように、トンでもない物を出すエネルギーであり、いわば「コウモリ」エネルギーだ。だまされてはいけない。
もっと早くから真剣に研究発展させるべきであったものを、コウモリを可愛がりすぎて、太陽光などの新エネルギーを片隅に追いやり、惨めなシンデレラにしてしまった。
日本は、トップランナーになるチャンスを失うかもしれない。
新パラダイムは始まったばかりだ、今からでも遅くはない。
大企業には海外に出てもらい、国内には研究開発及びその付帯産業としての学術機関、文化施設を充実させ、その他は食料生産に労働シフトして、基本的に自給自足の農業国に戻す。
「再来再見」
新エネルギーの徹底した研究開発により、技術を売り、国内エネルギー需要の充足はもとより、電力を海外に売る。
原発を停止すべき理由は、危ないからではない。国内原発の一斉停止という劇薬は、苦汁ではあるが、日本に劇的な変革をもたらす。
寒い寒いと言っていては、新しい服に着替えられない。
やはり新鎖国主義
世界が産革パラダイムから抜けられずにいるうちに、日本は先ず、グローバル化の輪廻から解脱し、自給自足しながら知のメッカを創出する。そのためには、何と言っても「新鎖国主義」で、自己完結型の経済を確立する。(江戸のような物理的鎖国ではない)
そんなことは不可能だと誰もが思うだろうが、大量生産によって無用なものを無理に売りつける、産革パラダイムから、一歩離れれば、金は儲からないが、ゆとりのある社会に暮らせる。
時計や車が無くても、まったく困らないことに気づけば、簡単に実現する。
このことに気づけるのは、酸いも甘いも体験した、先進国だけなのだ。
新興国の物欲を見ていれば、その空しさがよく解る。