魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

何を信じ

2011年08月06日 | 日記・エッセイ・コラム

5日は朝から株価暴落の話題で一杯だったが、比較的良い米雇用統計が出て、パニックは少し収まりそうに見えた。
しかし、坂道を転がる車は止まらない。石や凹みにぶつかりながらも確実に崖に向かって転がっている。

この後、今度は、アメリカ国債が史上初めて格下げになった。
格付け会社自体、怪しげな存在だから、どうこう言う問題ではないのだが、曲芸師が自分のナイフで怪我をしたようなもので、怪我をするのは勝手だが、観に来た客は、どうしてくれるんだと怒っても払戻はない。何を信じて良いのやら。

過去二人しかいなかった、三碧のアメリカ大統領は、何れも一期限りだった。  (「男と女2」)
どうも、三碧オバマ大統領も、ジンクスを守りそうだ。

だれにもわからない
大転換の時代は、前例から予測することができない。
東日本大震災の「想定外」は、確実に想定できていたことを、利権や怠慢で見なかっただけだが、今後の世界動向は、「想定不能」だ。

将来予測は、細かい過去の事象や、論理的予想にこだわると外れる。理詰めではWWCで、なでしこが優勝するはずがなかった。しかし、優勝した。

経済学者や金融アナリストの言うことは、論理的には正論でも、前例がないものは誰も推論できない。直近では誰かの予想は当たるかも知れないが、次もその人の言う通りに成るとは限らない。

正しい予測をできるとすれば、文明論からの予測だろうが、本当のことを言えば、変質者扱いされるだけで、誰も聞かないだろう。
いざ、大転換が始まれば(始まっているのだが)、今を生きる人が良しとして、それに向かって努力していることが、全て無意味になるからだ。例えば、高級ブランド品など、ゴミにもならない。

わずか、66年前、お金も預金も土地も家も地位も親も兄弟も、一夜にして全て失った。今、東北で起こっていること以上のことを、日本中が体験し、しかも誰にも、弁償や補償を要求することができなかった。その上、世界中から、石を投げられ、挙げ句の果てに落ち武者狩りにまで遭った。

ただ、面白いことに、日本に完勝したアメリカは、廃墟の日本に救援物資を送り始めた。その後の日本の独立も、色々の計算があったとは言え、アメリカ人の美学とも言うべき善良性だろう。
中国も日本に対して、これもいろいろな計算があったとは言え、寛大さを示した。大国の風格というものだろう。

しかし、大国のはずのソ連は、何一つ良いところを見せなかった。
昭和20年代の記憶は、今、われわれは誰を信じて誰に警戒すべきかを教えている。

本当に怖いものは、可愛らしい笑顔や沈黙をしている。

ところで、4世紀、大転換のきっかけは、アジアのフン族に押されたゲルマン民族の大移動から始まった。アジアに押される欧米の図は、千年の転換のきっかけになるかも知れない。
今の経済状況は、独英仏の牡羊座=EUに天王星が来ていることが大きい。

この数年、世界的な大災害が頻発しているが、大災害は人間の生き方を変える。