オバマ大統領は、本当にカッコいい。愛らしさもある。
見れば見るほど、惚れ惚れする。
言葉もシャープで巧みだ。
北朝鮮のミサイル発射には、ハッキリ「罰せられなければならない」と言い。核廃絶のためには「唯一、核を使用した国として責任がある」と明言。唯一、核を投下された国民もまた、オバマニアになる。
世界平和教の信者なら、オバマ大統領に月桂冠をかぶせて、祭壇に祭りたいぐらい。希望の光だ。
だが、土星の申し子である占いの目は素直になれない。
時を表す土星は、冷ややか、冷徹、リアリスト、アマノジャクの星だ。
オバマ大統領に期待する反面、占いのアマノジャクが、首筋に不安の冷や水を浴びせる。
世の中は複雑怪奇だ。
だから、民衆は単純明快な言葉を求める。学者のグダグダした解説より、ハートにスコーンと入る、歌のセリフに酔いたがる。
しかし、わかりやすい言葉ほど、実体から離れていく。明言であるほど実現が遠くなる。世の中は複雑怪奇だからだ。
それでも、わかりやすい答え、明るい展望を示すことは政治家の最大使命だ。それが「YES WE CAN」まで、ならば。
ところが、複雑多様な問題に一つ一つ、的確な言葉と行動で対応していくと、やがて、矛盾にぶつかる。そして、モグラ叩きが始まる。
モグラ叩きの最善策は、始めから叩かない=相手にしないか、一カ所だけ狙って待つことだが、アメリカ大統領が何もしないわけにはいかない。
オバマ大統領の言動が、周到な知恵から出てくるものであれば、これはアメリカどころではない、世界史上の偉人となるだろう。そうであって欲しいと、心底、思うが、アマノジャクには心配だけが膨らんでいく。
たとえ、オバマ大統領がすべてを解っていても、アメリカが許さない。
豊臣家が、大英帝国のように一大名になっていれば、大阪の陣も、滅ぶこともなかったのだが、成り上がり者は、引くことを知らない。