保護猫活動する隠居爺の野菜作りとスキーの日記そして病気の記録

冬場の60日以上はスキー、夏場はそのための体力作り&自給用野菜作り、そして保護猫活動と病気の記録も綴ります。

石油の寿命を探る(2)“仮定”によって大きく変わる数字

2011年08月26日 | (雑学Ⅱ)脱原発とエネルギーの話

〇偏っている石油消費量〇

世界のエネルギー消費量を
一人当たりの石油消費量(96年)で見てみますと次のようになります。

アメリカ 8044
日本   3661
インド    297
世界平均    1464(kg)

*2010年のデータですが
中国は1人当たり700kgくらいです。

インドよりさらに低い国々がまだまだあることは言うまでもなく
インドとアメリカを比べただけでもそこに27倍の格差があることが分かります。

言い方を変えると、1人のアメリカ人は
27人のインド人と同じだけのエネルギーを使っているということです。

そして、世界人口の4分の1、つまり先進国だけで
世界のエネルギーの8割
を使っていることも分かっています。

 

〇米国の立場〇

国によって1人当たりのエネルギーー消費量は最高と最低で3桁も違う
つまり、1人のアメリカ人が最貧国の人たちより3桁も多いエネルギーを使っているのですが
可採年数を求める時には世界平均で計算してしまいます。

こうした平均数字を使って計算すると、日本の33年などという数字が算出されますが
もしもインドの数字を使えばどうなるのでしょうか。

インドは世界平均の約5分の1だから
これを使うと年数は5倍に伸びて160年となり
可採年数が何年という場合はこういう前提についてよく考えてみる必要があります。

逆に、世界全体がアメリカのペースでエネルギーを使えばどうなるのでしょう。

アメリカは世界平均の約5倍のエネルギーを使っているわけですから
年数は5分の1の7年、つまり、あと7年で石油は採れなくなるのです。

インドのペースででしたら160年は大丈夫なのに。

ちなみに、日本のペースでしたら世界平均の2.5倍ですから
年数は5分の2、つまりあと13年となります。

このような前提とされる条件が隠されていることが問題にならない
またはどこかで問題になっているのかもしれないが一般の人々にまで伝わらないのはなぜでしょうか。

それはアメリカがデータの出所になっているからと言われています。

つまり、自国のペースなら石油は7年で終わるなどと公言するわけに行かないのです。

それどころか、政府はエネルギー消費が今後かなり増えるという予測をすでに発表しており
石油に大きく依存する体質を根本から変えようという姿勢は見えません。

 

〇結論〇

このように、「石油があと何年つかえるか」という問いに対しては
新たな油田の発見をどの程度に見積もるか、石油の消費量をどう予測するか
油田探索・採掘技術の進歩をどう想定するかなど、いくつもの予想や仮定が入り込んでくるため
将来予測は極めて困難なことが事実のようです。

なかでも石油の消費量をいくらと仮定するかで年数が非常に大きく開くことには驚かされます。

また、石油の危機は常に「人類」の危機として語られていますが
それはたかだか人類の4分の1が石油を使いすぎているからに過ぎないことで
4分の3の人々にとっては迷惑な話だということも分かりました。

「そんなことを言っても現実にこれだけ使っているのだから仕方がない」は
湯水のごとくに石油を使っている消費大国の言い訳に過ぎません。

ただし、重要なことは、30年だろうが50年はたまた100年だろうが
使い切り燃料”である以上は無くなることが確実だということです。

つまり、例え500億バーレル(約70億トン)の油田が発見されたところで
現在の使用量からすれば一年間、化石燃料の枯渇を引き延ばすだけに過ぎず
これほど多量の石油を使い続けること自体が問題の原点ではあると言わざるを得ないのです。

 

化石燃料のとりあえずの可採年数
 石炭     133年
 原油(石油)  41年
 天然ガス    60年

 

 



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