元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

日常の風景

2016-06-26 | 実生活

毎日の通勤途上の風景や近所の何でもない道を撮って写真にできる人が本当に写真の上手い人だと思います。

私も毎日見ている何でもない風景を写真にしたいと思って、はじめの頃カメラを提げて通勤していたけれど、そういう写真は撮れなかった。

写真を撮るためにどこかに出掛けて行かないとシャッターを押すことができないのは未熟だからだけど、いつかそういう写真を撮りたいと思っています。

「珈琲挽き」(小沼丹著)という随筆集を読みました。

このブログなど、自分で書いているものは随筆と呼べる代物ではないけれど、良い随筆を読むことは勉強になるし、随筆を読むこと自体が好きだからなるべく読みたいと思っています。

タイトルに惹かれて読み始めたけれど、「珈琲挽き」は80数篇収められている中のひとつで、全編コーヒーの話というわけではありません

毎日の作者の家の庭での四季の移ろい、学校時代の先生の思い出など、誰にでもある話を静かで少しユーモラスな文体で、短い随筆にまとめられていて、読んでいて気付いたら2篇、3篇と読み進んでいる。

非日常的な貴重な体験をエッセイにまとめたものはよくあって、すごいなとは思いますが、著者と一緒にその風景を味わうような感覚を持つことはできません。

誰もすごいなという体験を書くよりも、本当に普通の、誰にでもある日常を読みやすく面白く書くことの方が難しいのではないかと思います。

私もこのブログで、何でもない日常をおもしろく書くことができるようになれたらといつも思っているけれど、まだまだ修行が足りないようです。