元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

峠越えの入り口

2016-06-21 | 実生活

ブルーの小さな車がウチの車。2人で乗るには十分で大変気に入っている。

 

 

現代になっても、昔からのその土地の雰囲気というのは変わらないのではないかとよく思います。

例えば、今はどちらも神戸市ですが、須磨一の谷から東は摂津の国、西は播磨の国というように昔は違う国でしたが、その名残は今も感じます。

須磨まではそれより東の京阪神の雰囲気がありますが、塩屋から西は岡山、広島などの山陽地方と共通するものを感じます。

昔の国割りが地形に沿った部分が大きかったからその名残を今も感じるのか分からないけれど、そういった昔の国、道の雰囲気はいたるところに残っています。

街道沿いにあって、峠越えの最後の宿場町だったようなところは独特の雰囲気を持っています。

神戸なら有馬街道の平野や三木街道の板宿、宝塚にもそんな雰囲気があります。

開けた平地が終わって、そこから山と山の間を通る寂し気な峠道に入っていく最後の宿場町。

先日美山町に行った時に通った川西市にもそんな雰囲気が感じられる場所がありました。

開けていた地形から少しずつ山が迫ってきて、谷川沿いの道になっていく。

車で走るとこれからどんなふうに風景が変わっていくのかとワクワクするけれど、昔の人はきっと決死の想いで、覚悟を持ってその道に入っていったのではないかと想像します。

交通網が発達して、人の住む場所がどんどん大きくなって、町が大きくなっていっても何か感じることができる土地の雰囲気。

それを感じることが旅の大きな楽しみだと思っています。