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元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

親子の関係

2016-03-15 | 実生活

母は私が小さな頃から、勉強しなさい、そして先生と呼ばれる仕事に就きなさいと言っていた。

弁護士、医者、教師など、パイロットでもよかったようだけど。

自分の夢を子供に託していたのだと今なら思えるけれど、子供心には自分の虚栄心のために子供をブランド職業に就かせたいのだ、でも絶対にそうはならない、学校の勉強なんてしないと強情になっていた。

たまにテストで良い点をとったりして、母に褒められると嬉しかったけれど、勉強しなさいと言われるたびに私はそれから離れていきました。

そういうふうに言うと、自分の頭の足りなさを母のせいにしているようになるけれど、本を読むことは好きだったし、本を読んでいると勉強しなさいと言われないのでよく読んでいたことは今も役に立っているような気がします。

そういう経験があったからかどうか分からないけれど、息子には勉強しなさいと言ったことがない。

生まれつき息子は勉強が好きだったのかもしれないけれど、テスト勉強なども自分で計画を立てて、塾にも行かずにやる子供になっていた。子育てとは、親子とは不思議なものだと思います。

そんなふうなので息子が自分の店の後を継ぐというのは、全く考えられなくて、彼には彼の道があると思っている。

昨年末からスタッフMを後継者にするべく育てたいと思い、当店で働いてもらっている。

Mは当店で長い間聞香会をしてくれていて、若いのにそういうものを理解するすごい子だと言われたりしているけれど、若いのにすごいという言葉は、齢をとるごとに薄まっていく。

それに彼を育てる立場になると軽々しく褒められなくなってしまいました。

お客様方はもちろん彼に感心してすごいと言って下さっているけれど、今の自分に満足してほしくないし、そのまま固まってほしくないと思う私の立場では彼を誉めることは彼の仕事や人生の教訓の吸収力を弱めてしまうような気がして怖い。

息子には勉強しなさいと言ったことがないけれど、森脇には勉強しなさいと言っていて、彼が万年筆の仕事が嫌にならなければいいけれどと、少し心配しているけれど。

万年筆の仕事で生きていくのであれば、私の言葉は彼の今後の仕事のためになるとはっきり分かっているので、なるべく伝えながら、おだてずになるべく大きくなるように育てていきたいと思うのもまた、親心なのだと思う。