元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

味わいとテクノロジーの同居

2007-05-31 | 仕事について
ル・ボナーの松本さんと六甲アイランドにある大和出版印刷様にお邪魔しました。
松本さんは万年筆に合う、最高級ノートの企画ともうひとつ大きなプリジェクトを大和出版印刷様と進められていて、そのメンバーに私も加えていただけるということで、ご一緒させていただきました。
担当の川崎さんが大きなミニバンで迎えにきてくださり、本社屋に向かいました。
大和出版印刷様の本社屋は、工場地帯の中にありながらモダンデザインのとても洗練された建物でした。
工場や制作室のあるフロアーの最上階にオフィスがあり、私達が入っていくと社員の皆様全員が挨拶をして下さり、とてもさわやかな応対に感心しました。この印象は社屋のどこにいっても変わらず、大和出版印刷の皆さん全員が自信と誇りを持ってお仕事されていることの証だと感じました。
嫌味なく名作ソファが置かれた、建物の外観同様洗練された内装が施された応接室に通され、ノートやプロジェクトのお話をお伺いしているところに、武部社長が入ってこられ、社長と松本さんを中心にモノ談義に花が咲きました。
お二人とも本業の知識や情熱はもちろん並外れてお持ちですが、ご自分のお仕事以外のモノの知識の豊富さに圧倒されてしまいました。
応接室での賑やかな会談の後、工場を武部社長が自ら案内、説明してくださいました。
最新のテクノロジーを積極的に取り入れた工場は町の印刷工場しか見たことのなかった私にはとても新鮮で、印刷工場の印象が変わりました。
最新のオフセット印刷機(1台1億円以上するそうです)の横で、40年前の活版印刷機が現役で使われていて、新しいものを取り入れながらも、古くて不便な機械にしか出せない味わいも理解されているこの会社の奥深さに共感を覚えました。
新しく便利なものを手に入れると、古いものは忘れられてしまいがちですが、古いものには、新しいものにない価値があるということを改めて思い出すことができた訪問でした。