元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

邪念のないもの

2007-05-20 | 仕事について
備前焼作家の浅野さんと話していて、おもしろい話をしていただきました。
備前焼は江戸時代のものよりも、それ以前の桃山時代以前のものの方がはるかに出来が良いとのこと。
桃山時代の備前は飯碗などの雑器として焼物を焼いていて、それが茶人たちに用いられ名器になっていきました。
しかし、江戸以降のものは最初から名器を目指して作られた、茶に媚びたものだったとのこと。
この両者の出来栄えの違いは驚くほどあるということで、茶人たちがいかに作為のない本物を作者の名前に惑わされずに美しいと思ったものだけを求めたことが分かりました。