元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

一区切り

2006-01-25 | 万年筆
先日人事異動で12年間いた店での最後の日を迎えました。
異動と言っても,同じ駅で降りるすぐ近くの店に勤務先が変わっただけですので、サラッと終わらせようと思っていました。
何事にも気負いすぎることが嫌いな、どちらかというと冷めた性格の私ですが、朝からいつもと違う少し引き締まった気持ちだったことは確かでした。
12年間いた店の時間はどんどん流れていきます。ふっと落ち着いたのは閉店30分前の7時半でした。
あと30分で閉店だと思うと、少し感傷的な気持ちになりました。
朝いつもするように、ウインドーのガラスを拭いて、万年筆試し書き用のコップと洗浄器の水を代え、ずっと使ってきた変わった形の香炉にお香を焚きました。
毎朝している儀式を最後にすることで、今までの12年間に一区切りつけました。
ペンの世界から去るわけではありませんが、多くの人からペンの聖地だと言われているこの特別な場所で、たくさんの人と心が通じ合ったシーンに立ち合うことができた今までの素晴らしい出来事に心から感謝しました。