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「浮島丸」が爆沈した京都府と、出港した青森県でも追悼会が行われた。(24日付本ブログ参照)

2016-08-28 | 日・韓・朝友好親善のために

一刻も早く遺骨を遺族のもとへ/東京・祐天寺で朝鮮人戦争犠牲者追悼会

「浮島丸事件」(1945年8月24日)などで犠牲になった朝鮮人の遺骨が安置されている東京都目黒区の祐天寺で24日、第28回朝鮮人戦争犠牲者追悼会が挙行された。

会場には、金昌鎮、小林喜平、鈴木公一、梁大隆さんら追悼会世話人と、東京朝鮮人強制連行真相調査団関係者、総聯関係者をはじめとする同胞、「浮島丸事件」時に乗船していた小野寺和一(87)をはじめとする日本市民ら約40人が参加した。

祐天寺に安置されている遺骨は、1970年に厚生省(当時)から祐天寺に移管され、現在、本籍が朝鮮半島南部の275体(すべて「浮島丸事件」のも の)と本籍が朝鮮半島北部の425体(このうち5体が「浮島丸事件」のもの、4体がB、C級「戦犯」刑死者)の計700体の遺骨が安置されている。国家間 交渉により、南には2008年1月から2010年5月まで4回にわたり、遺族が判明しない遺骨(219体)を含む423体の遺骨が返還されたが、北には1 体も返還が実現されていない。

犠牲者の冥福を祈り、焼香する参加者たち

犠牲者の冥福を祈り、焼香する参加者たち

 

この日まず、法要が営まれ、住職が読経するなか、参加者たちは犠牲者の冥福を祈り、焼香した。

追悼会では、主催者を代表して世話人の金昌鎮さんがあいさつし、「最近の政治は71年前のずさんな戦争を忘れて、そこに1歩2歩近づいているように感じる」と警鐘を鳴らし、絶対に戦争が起こらない平和な世界にしようと呼びかけた。

続いて、青木英二・目黒区長、厚生労働省、「浮島丸殉難者を追悼する会」から寄せられたメッセージが紹介された。

その後、追悼会では参加者3人が発言。日韓合同授業研究会の藤田直彦さんは、犠牲者たちが誰で、どこでどのように亡くなったのかを明らかにしないこ とは、その者の存在をないことにしていると強調。「日本政府がきちんと事実を明らかにし謝罪することが大事だ。祐天寺の遺骨一つひとつが遺族のもとに帰る ことを願う」と語った。

東京朝鮮人強制連行真相調査団事務局次長の金哲秀さんは、2004年、南北の遺族を招き祐天寺で追悼会を行う際、北側の遺族2人が日本政府から実質 的に入国拒否されたことについて触れながら、「遺族は今でも当時のことを思い出している。この問題は一刻も早く解決しなければならない」と語った。

東京都歴史教育者協議会会長の東海林次男さんは「このような追悼が今後、新たに生まれないような社会をみんなで築いていこう」と呼びかけた。

追悼会のようす

追悼会のようす

1回目から追悼会に参加している山村茂雄さん(84)は「祖国に帰ることのできない遺骨が、どんな思いでいるのか」と思いを馳せ、「(遺骨は)故郷に戻ったほうがよい」と語った。

1回目から追悼会に携わっている世話人の鈴木公一さんは「加害の歴史を日本の人たちに知ってもらおうと私を含めた日本人有志3人で始めた」「返還も 謝罪も追悼も日本人の責任だ」と語った。また、鈴木さんは5、6年前から追悼会に参加する若者が少なくなっていることを憂慮している。

そんななか、今回初めて参加したという留学同西東京の金誠明さん(22)は、戦争により朝鮮人がどんな辛い思いをしてきたのかを改めて感じたとし、「年配の参加者が多かった。(若い世代が)歴史を忘れず、引き継いでいかなければいけない」と語った。

追悼会の後、懇親会が行われた。

「浮島丸」が爆沈した京都府と、出港した青森県でも追悼会が行われた。

(高英俊)