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「いつも強調することだが、慰安婦教育は日本を批判したり“いじめ”をしようとするものではない。

2017-11-06 | 日・韓・朝友好親善のために

[インタビュー]

「サンフランシスコの公立学校で『日本軍慰安婦教育』をリード」

登録 : 2017.11.04 07:49 修正 : 2017.11.04 12:19

在米社会正義教育財団のソン・ソンスク代表

先月31日、ハンギョレ新聞社を訪問した在米同胞のソン・ソンスク社会正義教育財団代表は、米国内で最初に施行するサンフランシスコの公立学校の「日本軍慰安婦教育」のための教材の準備過程を紹介した=ハン・スンドン先任記者//ハンギョレ新聞社

 来年3月から米国サンフランシスコ教育統合区で公立学校10年生を対象に、日本軍「慰安婦」の歴史に関する教育を開始する。米国で初めて実施される慰安婦教育は、それ自体が画期的なことであり、現地住民の呼応も大きく早くも国際的に大きな関心を集めている。2015年10月、教育統合区教育委員だったサンドラ・ピュア・サンフランシスコ市議会議員の発議で採択された後、2年間の準備期間を経た。

 

 「中学生を対象に予備実習をしてみましたが、生徒はもちろん、教師や保護者の反応もとても良い」「いつも強調することだが、慰安婦教育は日本を批判したり“いじめ”をしようとするものではない。これは反人倫的で反女性的であり、人種主義・帝国主義的な戦争犯罪を批判し、人類普遍の正しい価値を回復しようとするものだ」

 

 これまで「慰安婦教育」の教材作りなど準備作業を主導して来た在米同胞のソン・ソンスク社会正義教育財団代表(52・写真)が、先月31日ハンギョレを訪問した。

 

2015年、サンフランシスコ市議会「通過」 
教育統合区公立学校10年生を対象に 
「来年3月、米国内初の『慰安婦』教育」 
汎アジア系「慰安婦正義連帯」参加 
教育委の共同議長として「教材」主導 
「予備実習は教師・保護者にも好評」

 

 ソン代表はまず、「マイケル・ホンダ氏は一人ではない」と話した。ピュア市会議員以外にも、9月に米国の大都市としては最初に建設されたサンフランシスコ「慰安婦」メモリアル碑の建立案件を提案して通過させたエリック・マ元市会議員もいる。彼は今、サンフランシスコ州立大学で東洋アジア学の教授を務めている。

 

 続けて彼女はさまざまな形の教育資料を見せた。日本軍「慰安婦」が東アジア13カ国で、拉致されたり騙されて強制的に連れていかれ、その数が20~40万人に及ぶということ、強制動員された女性の大半が10~11歳の幼い少女だったということ、日本軍兵士の死亡率24.2%に比べて「慰安婦」の死亡率は75~90%と高かったこと、慰安婦1人が相手した日本軍兵士が40~50人にのぼるという事実、「慰安婦」死者の大多数は戦争犯罪の証拠をなくそうとする日本軍によって虐殺されたということを説明した。子どもの遊び道具の形でつくられた資料には、日本が慰安婦強制動員の事実を認めて謝罪・賠償しなければならず、戦犯を処罰して強制動員の実態を再調査し、後世に教育して、記念館・研究所などを設立し犠牲者の名誉を回復させなければならないという内容も入っている。

 

 ソン代表は「来年3月から始まる10年生を対象にした慰安婦教育は、日本側の妨害で第2次大戦に関する教育課程の枠組みの中で教えるようになっているが、7月に可決された改正教育課程教授学習資料はカリフォルニア州全体に影響力があるため、第一線の教師たちの裁量にかかっている」と付け加えた。

 

 「2016年7月14日にカリフォルニア州教育委員会の公聴会で教育プログラムが最終承認された当時、日本側の圧力で『慰安婦強制動員』を否定している日本外務省のウェブサイトリンクの資料を教材に含める条項を挟みこんだ事実を後に知り、ひどく憤慨した」

 

 9月の慰安婦メモリアル碑建立の時も、日本がいろいろな妨害工作を行った事実はすでに知られている。「9月に建設されたが10月にその事実を公開することになった理由は、メモリアル碑の銅板に刻まれた文字を日本側が問題視して市議会などに反論を提起し、サンフランシスコ‐大阪姉妹都市縁組を破棄するなどの圧迫をかけたためだった」

 

 しかし、「そうすればするほど、私たちには言うことが多くなった」というソン代表は「米国では第一線の教師の判断が決定的に重要だ。良い事はどんな環境でも成し遂げることができる」と自信を持って語った。

 

 それだけに、ソン代表は朴槿恵(パク・クネ)政府の「12・28韓日慰安婦合意」に誰よりも憤った。合意2カ月後の昨年2月から在米韓国人と中国系・フィリピン系そして日系まで加勢した汎アジア系慰安婦正義連帯(CWJC・2015年10月結成)の教育委員会共同議長を務め、慰安婦教育教材作り、教師たちのワークショップなどを主導してきた。今年に入って5月には社会正義教育財団を発足させ、代表になった。

 

 ソン代表は15歳だった1980年、高校入学から1カ月で両親と一緒に移民した1.5世代だ。カリフォルニア大学で言語学を専攻した後帰国し、延世(ヨンセ)大学で1年ほど韓国学を勉強し、国語学科に編入した。在米韓国人の夫と結婚し、米国で教育学の修士課程を修了した後、サンフランシスコに定着した彼女は、一人目の子どもを生んで二重言語教育に関心を持つようになった。教員資格証まで取った彼女は92年、サンフランシスコ教育統合区で二重言語指導教師になり、同年、二重言語教育プログラムの市議会通過と94年からの教育実施に主導的な役割を果たした。

 

 ソン代表は二重言語教育の重要性をこう説明した。「すべての人間は平等であり、言語もそうだ。どちらか一方への同化主義は民族の多様性を抹殺する。一方の言語が他の言語よりも優れていて有用だと主張したり、二重言語教育が学習に支障を与えるという主張があるが、それは事実ではない。すべての言語に対する同等の学習機会を与え、当事者が選択できるようにすべきだ。子どもが自分の母国語を使うことができず、英語が優越な言語だと学ぶならば、その子どもは自負心も人間としての尊厳も喪失して、容易に外部権威に統治される可能性が高い。それは正しくない」

 

ハン・スンドン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )



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