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「未来ゼミナール」:趙花純(19)さんは日本の塾には通わず、京都大学工学部 に見事合格。

2016-04-03 | 朝鮮新報より転載

京都府青商会が主管、「未来ゼミナール」開講3年

生徒たちの学ぶ意欲高める

京都府青商会が2013年5月から主管している夜間特別学習指導「未来ゼミナール」。目的は京都中高高級部の生徒たちの学力向上だ。京都府青商会が 財政を支援しており、教材費を除いた参加費は無料となっている。運営面では京都中高と留学同京都が協力。講義は生徒たちが部活を終えた後、同校の教室で学 年別に行われ、講師は留学同京都の同盟員などが務めている。講義は週4日、一コマ1時間30分で、生徒たちは、数学や英語、古文・漢文、現代文など全13 科目の中から選択して受ける形で始まった。

開講3年目。開講当初から携わっているある関係者の話では、受講している生徒たちは学びへの意欲が高まっており、また、経済的な負担がほとんどないということで保護者からも感謝の声があがっているという。

「未来ゼミナール」の講義のようす(写真は英語科目)

「未来ゼミナール」の講義のようす(写真は英語科目)

京都大学に見事合格

同校を卒業生した受講生たちは「未来ゼミナール」での経験を糧に、勉学に打ち込んでいる。

開講当時から高校卒業まで受講した周泰秀さん(19)は現在、朝鮮大学校理工学部で勉学に励んでいる。もっと学びたいと自ら受講を希望した周さんは 「講師は年が近く、質問しやすかったうえ、しっかり教えてくれた」「いろんな教材、資料を使って学校授業で学んだことを違う角度で復習できた。大学ではそ の糧がプラスアルファ―となっている。受けてよかった」と語った。

さらに、受講生2人が今年、開講以来初の国立大学の難関を突破した。そのうちの一人である趙花純(19)さんは日本の塾には通わず、京都大学工学部 に見事合格。趙さんは高校2年生から受講し、昨年に朝高を卒業した後も「未来ゼミナール」で引き続き学び続けた。合格の知らせを受けたとき「信じられな かった」と振り返る趙さんは、部活の後に講義を行ってくれるなど「朝鮮学校の生徒たちに合わせてくれる」と魅力を語る。

また、卒業後の約1年間は、受講しながらも「未来ゼミナール」で講師も務めた。「大学生になっても講師の依頼があれば引き受けようと思っている」。

同胞社会に寄与する知識人に

「未来ゼミナール」は開講後、講義を週3日に減らし、講義時間も1時間20分に短縮する一方、質疑応答を積極的に取り入れるなど体系を少しずつ変えて運営されている。

2年目からは科目数を11に減らし、誰でも参加できる「オープン」な科目と、学校での授業で、ある程度の成績が認められた生徒たちを対象とする科目に分けて行われている。「オープン」な科目は日本現代文などで、朝鮮学校の教科書ではあまり深く取り扱わない科目である。

現在、受講生数は20人程度(当初は約40人)で一講義の生徒数は2~6人。少数になったことで、講師と受講生たちの意思疎通がしやすくなっていると関係者は話す。

講義では、講師の解説に耳を傾けて、授業に集中する生徒たちの姿があった。また、講師も生徒たちを丁寧に指導していた。講師はほぼボランティアだ。

留学同京都・滋賀支部の尹仁孝さん(同校卒業生、立命館大学3年生)は約1年間講師を務めている。「未来ゼミナール」事務局の京都朝高教員から電話 があり、「朝鮮学校出身として母校に恩返しができて、後輩のためになれるのなら」と快く引き受けた。尹さんは「生徒たちはすごく意欲的だ」とし、「生徒た ちが知りたいことを、できるだけわかりやすく教えるよう心掛けている」と話す。

京都府青商会の朴錫旻会長(40)は「卒業生たちがこれからも朝鮮学校と同胞社会への感謝の気持ちを忘れず、勉学と組織生活に励み、同胞社会と在日朝鮮人運動に大きく寄与する科学者、知識人に育ってほしい」と激励した。

(高英俊)



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