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日本の立ち位置と役割の手掛かりは安倍政権の「ミサイル騒動」にはなく、9.17朝・日平壌宣言の理念にあることを指摘した。

2017-10-06 | 日・韓・朝友好親善のために

「ミサイル騒動」に警鐘を/

「神奈川県民の会」学習会、李柄輝准教授が講演

会場のようす

日朝国交正常化をすすめる神奈川県民の会が主催する学習会「~安倍政権の常軌を逸した『核・ミサイル騒動』~日本は米国と一緒に戦争するのか?」が9月28日、神奈川県横浜市のかながわ県民センターで行われ、多くの日本市民らが参加した。

「ミサイル落下時の行動について」の政府広報や「ミサイル避難訓練」の指示、東日本一体に早朝から鳴り響いたJアラートの不協和音など、日を追うごとにエスカレートする安倍政権の「ミサイル騒動」。朝鮮がなぜ核・ミサイル開発を続けているのかという点に向き合うことで、「ミサイル騒動」の本質を理解し、適切な外交的解決に向けた努力の後押しに繋げるために開かれた同学習会には、講師として朝鮮大学校の李柄輝准教授が招かれた。

李柄輝准教授

李准教授は冒頭で、今の日本の言論空間の中での「北朝鮮」核問題について、「社会現象には必ず原因がある。しかし因果関係をトータルに踏まえて考えるという営みが全くなく、危機を煽るストーリーで情報が垂れ流されている」ことを指摘し、「朝鮮の核・ミサイル開発の背景」について詳述した。

李准教授は「今、朝鮮の政治体制そのものが、経済シフトにチェンジしているという事実をまず確認することが大事だ」としながら、朝鮮労働党第7回大会で示された朝鮮の政策基調3つ目のテーゼ「経済及び人民生活重視のテーゼ」について話す中で、今日の状況の中での朝鮮労働党の最優先課題は経済であり人民生活の向上であるということ、経済というのは金日成主席と金正日総書記の遺訓中の遺訓であるという位置付けがなされていることについて言及した。

そして李准教授は「1953年に結ばれた停戦協定および中立国監視委員会は、56年の米国の南朝鮮への核搬入を阻止し得なかった。つまり戦闘状態を凍結させる装置が機能しないまま60年の歳月が流れてきた。にも関わらず朝鮮において一度も全面戦争が起こらなかった理由は、停戦の効力ではなく、軍事バランスによってかろうじて停戦の状態が維持されていることにある。米国側が朝鮮人民軍の軍事力を査定して、『軍事攻撃へ踏み込めない』という瞬時の判断によってかろうじて維持されている停戦状態の連続こそが、過去の60年間に及ぶ停戦状態の実態である」とし、「90年代以降、ソ連が崩壊し中国が南朝鮮と国交を結ぶ中、周辺国の中で、唯一朝鮮だけが核を持たず、核の傘すらない状況に陥った。ここに住んでいる約2500万人の生命を守るためには、全ての周辺国の非核化か、朝鮮も核武装によって自らの安全を守るのかという2つの選択肢が突きつけられた」と述べ、朝鮮が経済最優先を目指す中でも、核・ミサイル開発へと突き進んでいる理由について解説した。

李准教授はまた今後の展望について、ロシアをはじめとする周辺国の役割、北と南が「相克」から「相生」の道を歩むことの重要性と共に、日本の立ち位置と役割の手掛かりは安倍政権の「ミサイル騒動」にはなく、9.17朝・日平壌宣言の理念にあることを指摘した。

(李鳳仁)



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