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1987年、保安司の不法逮捕・連行後、虚偽の自白 「在日留学生スパイ団事件」に巻き込まれて投獄され、30年間付きまとっていた「スパイ」のレッテルから解放された

2017-12-03 | 新韓国の民主的変化

「非転向長期囚」チャン・ウィギュン氏、30年ぶりの再審で「無罪」

登録 : 2017.12.02 06:26 修正 : 2017.12.02 08:07

 

1987年、保安司の不法逮捕・連行後、虚偽の自白 
8年間収監され、転向を拒否…1995年に満期出所 
裁判所「不法逮捕・監禁で得た証拠は無効」

昨年末、全羅南道珍島郡の珍島邑に「沃州堂玉」を開いたチャン・ウィギュンさん//ハンギョレ新聞社

 「原審判決を破棄する。被告人は無罪」

 30日午前、ソウル瑞草洞(ソチョドン)のソウル高裁505号法廷。裁判長が判決を終えると、被告人席でチャン・ウィギュンさん(66)が静かに頭を下げた。1987年「在日留学生スパイ団事件」に巻き込まれて投獄され、30年間付きまとっていた「スパイ」のレッテルから解放されたチャンさんは、「ありがとうございます」と何度も繰り返した。

 ソウル高裁刑事10部(裁判長イ・ジェヨン)は同日、国家保安法違反の容疑で8年間刑務所に入れられたチャンさんに対し、再審で無罪を言い渡した。裁判部は「有罪の証拠が相当部分、不法逮捕・監禁など違法行為で得られたものであり、証拠能力がない」として、このように判断した。

 チャンさんは、全斗煥(チョン・ドゥファン)政権の終盤に企画されたスパイ事件の被害者だ。日本留学生時代、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)所属の在日朝鮮人たちと接触し、スパイ活動を行った容疑で、1987年7月拘束起訴された。令状なしに不法逮捕された後、国軍保安司令部(保安司)で監禁された中で行った虚偽の自白を根拠に、懲役8年の確定判決を言い渡された。当時、裁判過程で「10日間寝かせてもらえず、たくさん殴られた。事実通りに供述書を書いても修正を強要され、認めていないにもかかわらず、(自白趣旨で)書かれた部分が多かった」と主張したが、認められなかった。服役中にも何度も転向を迫られたが、「やってもいないことを認めるわけにはいかない」として収監生活に耐え続け、1995年に満期出所した。再び「被告人」として法廷に立つのが怖かった彼は、2014年10月にようやく再審を請求した。

1987年の在日留学生スパイ団事件当時、保安司令部が描いた組織図=MBCニュース画面からキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 裁判所は、チャンさんを連行して捜査する過程が違法だったことを確認した。裁判所は「チャン氏は相当な期間監禁された状態で、弁護人の助力もなく取調べを受けた」とし、「虚偽の供述を誘発したり、強要する危険がある状態で行われた自白の供述には証拠能力がない」と述べた。また、チャンさんが家族に日本の朝鮮総連活動などを紹介したことについても「大韓民国の存立や安全に危害を加える明白な危険性があったとは断定できない」と判断した。夫人のユン・ヘギョンさん(62)は、ハンギョレとの電話インタビューで、「30年ぶりに名誉を回復したが、国の違法行為に苦しめられた個人が直接乗り出さなければならない現実が残念だ」とし、「被害者たちに任せるよりも、政府が過去事問題の解決に、より積極的に乗り出してほしい」と語った。

ヒョン・ソウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )


2015年12月28日の韓日「慰安婦」合意に対する外交部のタスクフォース(TF)が今月中にこれまでの調査結果を発表する予定

2017-12-03 | 韓国の政局

カン・ギョンファ外交部長官、就任後初の訪日を推進

登録 : 2017.12.02 06:29 修正 : 2017.12.02 07:59

 

29日、河野外相との電話会談で言及 
外交部「具体的日程の協議はまだ」 
12月に大統領の訪中・慰安婦TFを発表 
年内に実現するかはまだ不明

カン・ギョンファ外交部長官が11月13日午後、フィリピン・マニラのソフィテルホテルで開かれた文在寅大統領と李克強中国首相の会談に同席している//ハンギョレ新聞社

 カン・ギョンファ外交部長官が就任後初の日本訪問を推進している。年内の訪日の可能性も排除できないが、2015年12月28日の韓日「慰安婦」合意に対する外交部のタスクフォース(TF)が今月中にこれまでの調査結果を発表する予定であり、時期は流動的とされる。

 外交部関係者は1日「先月29日、北朝鮮ミサイル発射後に行われた河野外相とカン長官の電話会談で、関連する言及があった」とし、「検討していることは確かだが、まだ時期などと関連して日本側と具体的な協議を始めたわけではない」と話した。これに先立ち、カン長官と河野外相は今年9月、ロシアのウラジオストクでの韓日外相会談当時、両国を相互訪問することについて意見交換を行った。これに河野外相が今回の電話会談を機に、再びカン長官の訪問を要請したという。

 問題は時期だ。とりあえず今年は12月中旬には、文在寅大統領の初めての中国国賓訪問日程がある。韓国と中国がTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備問題で悪化した関係の回復に乗り出したが、まだ両国が完璧な関係正常化を果たしたとは言えない。今回の韓中首脳会談の重要性が浮き彫りになっているのもそのためだ。

 これに加え、12月中には12・28「慰安婦」合意TFによる調査結果の発表が予定されている。どのような内容が、どのレベルで公開されるかによって、韓日関係にも影響を及ぼしかねない。外交部内では結果の発表を待たなければならないが、TFの調査結果が発表されれば、カン長官の訪日が当分難しくなるのではないかと見られている。文在寅大統領はこれに先立ち、慰安婦被害者問題を含めた歴史問題とその他の外交・安保・経済・文化などでの韓日間の協力を同時に進める、「ツー・トラック外交」基調を明らかにし、安倍晋三首相と「シャトル外交」(両国首脳が懸案がある度に相手国を行き来しながら会談を行うこと)の復元にも合意した。しかし、外交部が今年7月末に慰安婦TFを構成してから、韓日関係にはこれといった進展が見られず、足踏み状態を続けている。

キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)