「伊藤比呂美編 石垣りん詩集」(岩波文庫 2015年発行)を、公民館図書室に取り寄せてもらって読んだ。
今や「戦前」となった時代において、この詩集の「戦後」の感覚が懐かしい。手放し忘れてしまった感覚の尊さが眩しい。
人間の宿命の感覚も、鮮やかに表現されていると思う。特に私の心に鋭利に刺さった一篇を記しておく。
声
釘に
帽子がひとつ
かかっています。
衣紋かけにぶらさがっているのは
ひと揃いのスーツ。
本棚に本
玄関に靴
石垣りんさんの物です。
石垣りんさんは
どこにいますか?
はい
ここにいます。
はい
このザブトンの温味が私です。
では
いなくなったら片付けましょう。
今や「戦前」となった時代において、この詩集の「戦後」の感覚が懐かしい。手放し忘れてしまった感覚の尊さが眩しい。
人間の宿命の感覚も、鮮やかに表現されていると思う。特に私の心に鋭利に刺さった一篇を記しておく。
声
釘に
帽子がひとつ
かかっています。
衣紋かけにぶらさがっているのは
ひと揃いのスーツ。
本棚に本
玄関に靴
石垣りんさんの物です。
石垣りんさんは
どこにいますか?
はい
ここにいます。
はい
このザブトンの温味が私です。
では
いなくなったら片付けましょう。
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