みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

浜田知明の声

2015-10-11 17:51:09 | 芸術
午前4時過ぎに起床してラジオを付ける。午前5時までが深夜放送番組で、昼間の番組では外圧或いは自粛で聞けないような内容が聞けることも多い。今朝は浜田知明(1917~)へのインタビューだった。美術に疎い私でも、「初年兵哀歌」を中学校の参考書か何かの頁の片隅に見出したときの衝撃的な印象は、半世紀を過ぎても鮮やかだ。

ラジオで人の声を聞いていると、真実を語ろうとしている人なのか、それともゴマカソウとしている人なのか、その声の感じで分かる。浜田知明の声は真実の声だ。知性と感性が澄み渡っているような声だ。これが97歳を過ぎた人の声だとは、奇蹟に近いのではないか。

浜田知明は、こんなことを言った。本土空襲の被害の悲惨を語る人は多いが、中国大陸の重慶を日本軍が爆撃したことは語られない と。シベリア抑留の悲惨を語る人は多いが、日本兵が中国大陸で男を見れば殺し、女を見れば強姦したことを語る人は少ない と。

浜田知明の言葉は自身の体験から発している。今の日本は戦前に似ている とも言った。戦前も、戦争直前まで平和な日常だったが、それが一挙に付和雷同して戦争へなだれ込んでいった と。

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