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ソン・ウォンピョン 著『三十の反撃』

2022-05-22 | 本の紹介
『三十の反撃』 ソン・ウォンピョン 著、矢島暁子 訳(祥伝社)、読了しました。
2022年 第19回本屋大賞翻訳小説部門第1位に選ばれた作品です。

あらすじは・・・
非正規社員の三十歳キム・ジヘは、正社員を目指しながら半地下で暮らします。
平凡な彼女は、世の中にも会社にも期待することを諦めていましたが、
一癖ある同僚との出会いをきっかけに、社会に小さな反撃を始めるのです。
次第に自らを見つめ直し、自分らしい生き方を模索するようになった彼女は、
ついに「本当の自分」としての一歩を踏み出すことになるのでしょうか──。

アカデミー賞を受賞した韓国映画 『パラサイト 半地下の家族』の若者たちも30歳代でした。
そして、韓国に限った話ではなく、日本で「失われた30年」を生きてきた若者にも当てはまりそう、
平成生まれは生まれた時から日本経済の成長が止まり、明るい話を聞いたことがない世代です。
現代特有の生きづらさの中で、どうしたら生き生きと生きることができるのか、
それは、ほんの小さな「反撃」から始まります。
違うと思ったら反撃してみよう、と緩やかな元気と勇気を与えてくれる本と思います。

作者のソン・ウォンピョンは2年前の本屋大賞でも『アーモンド』で翻訳小説部門第1位を受賞しました。
最近、韓国人著者の本が多く出版されるようになりました。
昨夜、情報番組で日本経済の低成長について解説していました。
経済格差は広がり、大学・大学院を出ても正社員になれない人もいて、ブラック企業は増えている、
そんな状況を描き出した物語は、まるで日本に蔓延する問題を描いているようで他人事とは思えません。
「今の働きかたってどうなんだろう?」そう思ったら是非読んでみてください。

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