図書館便り「LIBRARY NEWS 2月号」を発行しました。
Yahoo版 Google版にアップしてあります。
3年生が今日の卒業試験4日目を最後に、全コースで自宅研修に入りますので大急ぎ!!
今月号の特集は「第150回芥川賞・直木賞発表!!」として、
受賞作、小山田浩子著『穴』、朝井まかて著『恋歌』、姫野カオルコ著『昭和の犬』を紹介しました。
この3作品、3冊ともすべて週間ベストセラーベスト10にランクイン!これってすごいことです。
朝井まかてさんの『恋歌』、実在の女性歌人にスポットを当てた歴史小説で、とても良かったです。
女流作家として知られる樋口一葉の和歌の師匠、中島歌子の生涯でした。
華やかな江戸で何不自由なく暮らしていた17歳の歌子が大恋愛の末に嫁いだ先は水戸藩の武家。
幸せな日々はあっという間に、幕末という時代に引き裂かれてしまいます。
武士の夫は水戸藩の内紛に巻き込まれ、妻である歌子も長きにわたって投獄されることに。。。
朝井まかてさんは「50代で夢を持つ覚悟がある。」と話していらして、素敵ですね。
「今月の作家」として、詩人の吉野弘氏(冒頭画像)を取り上げました。
先月、87歳でお亡くなりになり、その訃報をとても残念な思いで聞きました。
分かりやすい言葉を使って人間の温かみを描いた、心を揺さぶる詩を作り続けた方でした。
国語の教員として、何度吉野氏の詩を授業で取り上げたかわかりません。
電車の中の女子学生を描いた「夕焼け」、
カゲロウという虫の腹にびっしり卵が充満していることを題材にした「I was born」、
内容も題名も個人的にずっと大切に思っている「奈々子に」、
結婚式でよく朗読される「祝婚歌」。
残念で淋しいことに、新たな詩はもう生まれないのですね。
ご冥福をお祈りいたします。合掌。