カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

現代の開拓民物語   ミナリ

2023-03-16 | 映画

ミナリ/リー・アイザック・チョン監督

 劇中にも語られるが、ミナリとはセリのこと。川の岸などの水辺に自生するものだが、そのようにしてたくましく育つ象徴として、この題名になったのかもしれない。
 韓国からの移民一家が、アーカンソーの田舎に越してくる。住居はトレーラーハウス。一家四人には十分だが、ついてきた妻は不満顔である。彼女はソウル生まれの都会人で、信仰にも篤い。まちも遠いが、韓国の教会さえ無い土地で、最初は夫と鶏の雌雄選別の仕事を熱心にしているが、それ以外の人間との付き合いもなく、夫が土地を切り拓いて畑をやろうとしていることに対しても懐疑的で、非協力的だ。さらにこの家庭にはまだ問題があり、息子のデビットが心臓病を患っている。見てくれる病院は大変に遠い。娘は従順だが、母とともに不満が無い訳ではなさそうだ。孤立した家族にあって、韓国から妻の母を呼び寄せることにする(共働きだし)。しかしこのおばあちゃんがちょっと風変わりで、息子との関係が、あまりよくないのだった……。
 基本的にはホームドラマ的に、大草原の小さな家でいろいろな困難が持ちあがる。韓国の人は家族にも見栄を張るようなところがあるらしく、父親は頑張ってはいるが、自分本位で、何かと嘘をついては、今の失敗をはぐらかそうとする。そういう姿を見て妻は更に不信を募らせ、そもそも認めてさえいなかった田舎暮らしに対して、グラグラと揺れる心を抑えることができなくなっていく。息子の心臓病は心配だし、おばあちゃんは風変わりで口が悪く、たいして子供の世話として役に立っていないのであった。
 聞くところによると、この映画は米国ではバカ受けして評価も高い。これだけ地味なのになぜ? という気にもなるが、いわゆるアメリカ開拓民の姿を、現代に移して再現すると、このようなものに近い感覚があるのではないか。皆夢と不安を抱えて、なんとか自分たちの力を信じて、この土地を切り拓いてきた。そうしてアメリカ大陸は、移民たちが住まう広大な国になっていったのだ。
 移民のルーツは様々だが、ある意味で宗教でのつながりで、コミュニティを築いていく。そのような意味合いも含めて、ということになると、これはアジアでも韓国人でなければならない話になっていくだろう(キリスト教ということでは)。おそらくだが、日本人の感覚からはよく分からない構成になってしまうのは、そのような背景の為ではないかと推測する。それよりも、まずもう少し夫婦で話し合うべき問題がたくさんあるように思うが、先に成功するようになると納得してもらえる、という一点の希望にかけているものと思われる。劇中に言われてもいたが、そもそもこの夫は韓国では何かつらい思いもあって新天地を求めているのである。そういう気持ちは妻には必ず分かってもらえると、必死になっているのだろう。
 微妙な破綻を迎えることになって物語は終わる。それは再生のスタートになるからだ。ギリギリのバランスを壊すことで、かえって気持ちを一つにできることもあるのかもしれない。そのように考えると、僕らは誰もが開拓民のようなもの、なのではなかろうか。
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当たり前に球種が変わっていた件

2023-03-15 | ことば

 久しぶりに野球中継を見ていると、以前と使われている言葉が違っていた。厳密には近年聞いたことはあったわけだが、だいたいの雰囲気というか、知ったふりして聞き流していたのかもしれない。ストレートとかチェンジアップというのは素直にわかるが、これのコンビも以前と比べると増えている。まっすぐとカーブだけの投手というのは昔はそれなりにいたものだが、今はずいぶんと多くの変化球を使う人が増えている印象がある。投手というのは、器用な人が多いのかもしれない。まあ、そうでなければ務まらないのかもしれないが。
 よく聞くのがスプリットだが、いわゆるフォークのことらしい。人差し指と中指の間に挟んで投げると、いわゆるすっぽ抜けるようにボールが飛んで回転をしない。そうすると急激に球速が遅くなり、結果的に落ちるような軌道を描く。初速はストレートと同じだし、見た目もストレートと変わらないため、バッターにとっては直前で消えるように落ちるように見えるらしい。また、いまだに日本ではフォークとスプリットをあえて区別する場合もあるらしくて厄介なのだが、要するにしっかりはさんで落差の大きなものをあえてフォークと言っているようで、メジャーのピッチャーは、あまり球速が変化せず、それほどの落差のない高速のものが多いため区別したい考えがあるのかもしれない。
 ツーシームというのは、シュート回転のものを言っているようで、要するに利き腕側に曲がる球をそういっているようだ。投げ方の癖のようなもので変化の軌道に違いがあって、以前なら荒れ球の一つでもあった。高校野球はいまだにシュートと言っている場合があるように思うので、やはりメジャーの中継の影響だと思う。
  カットボールはスライダーのような小さなカーブのことらしい。高速スライダーのことだと解説している場合もある。スライドは横にずれる(滑る)ことだから、あえて縦横に変化するカットボールとか言っていたりする。大谷投手のカットボールは浮き上がるようだとも言っていて、なかなかに複雑である。
 基本的に腕の振りをあまり変化させずに、握り方の小さな変化でボールの軌道を変える手法が増えている印象がある。今の投手はそもそも球速が格段に速くなっていて、140キロ台ではそんなに速くないとはっきり言われていた。それではとらえられやすいという考えもあるらしく、速い球のまま小さく鋭く変化して、三振なり芯に当たらない球を競っているということなのだろう。もちろん緩急も大切なはずだが、そういう技巧派ピッチャーは、少なくとも日本代表では少なくなっている印象があった。
 ピッチャーのほうがそのように変化したが、バッターのほうもパワーヒッターが増えた。うまくあてられると、軽くスタンドまで持っていかれる印象だ。パワーとスピードの面から言って、僕の青春時代のプロ野球とは、確実に日本人も変わったものだな、と思う。ある意味で仕方がないことだが、メジャーを狙える位置の選手でなければ、なかなかに難しくなっているのだろう。この大会は、選手の狩場になっていることは間違いなさそうだ。不振の人も、頑張ってください。
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激しく苦痛だった   お嬢さん

2023-03-14 | 映画

お嬢さん/パク・チャヌク監督

 韓国映画。原作小説があるらしいが、設定はまったく変えてある。日本統治下の朝鮮半島に莫大な資産を持っているが、変態の叔父に支配されている令嬢に近づいて結婚し、その後精神病院に入れてお金だけ頂こうと画策する詐欺師と、その手先として屋敷のメイドに扮して送り込まれた詐欺師仲間の孤児の女性などを織り込んで展開される人間ドラマである。いちおうサイコスリラーと銘打ってあるが、ほとんど変態エロ映画である。
 幼いころから春画を朗読させられ、それらの本を資産家に売るという不思議な商売のようなことをしている叔父から事実上監禁の上にエロの材料にさせられ育てられた令嬢は、世間を知らないだけでなく、環境の所為かやはり精神がゆがんでいるようにも見える。
 いちおう三部構成になっていて、最初の物語には裏があって、さらにまたその裏話が明かされていくことになる。あっと驚くというか、ただただ気持ちが悪い。
 エロプレイの言葉は、韓国人の俳優が日本語で行われていて、おそらくだが韓国の人にとっては外国語だからそのおぞましさが生では伝わらない仕掛けになっているのかもしれない。日本人にとっては、韓国訛りの日本語でエロの言葉を延々と聞かされるわけで、うまく聞き取れないのに聞き耳を立てなければならない、分裂症気味の体験をさせられる。まあ、好きな人は興奮するのかもしれないが、どうにも悪趣味すぎて嫌な気分だ。
 また、エロかもしれないが春画というのは文化的にも貴重なものだから、邪険に扱われるのも個人的には嫌な気分だった。文化破壊はやめて欲しい。
 実際はそういう趣旨ではなく、人間のエゴと、屈折はしているものの愛の逃避行を描いているのかもしれない。韓国映画だから、残酷さも容赦ないのでショックも大きいが、あまりにもの世界なので、かえって漫画的かもしれない。しかしながら映像美としては凝っているし、悪趣味だがそれなりにおどろおどろしさは効果的だ。レズのセックスシーンは激しいのだが、美しい女優さんが惜しげもなくプレイしていて、流石気合が入ってるなあ、という感じかもしれない。そういう意味では、正当な興味をそそる映画的な価値があるとも考えられる。僕個人としては、もう観なくていいけれど……。何しろ痛い場面が多すぎて、やっぱり苦痛の方が多かったのでした。
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王子をさるく

2023-03-13 | 散歩
 渋沢栄一はドラマになったんで、また人気が復活したんですかね。でもまあ洋館などは残されてなくて、ちょっと残念な感じもしました。彼より孫たちの方が、僕の若い頃には有名でしたけどね。


 昼過ぎだったのでお弁当食べてる人も結構いたし、子供たちが大勢遊びに来てました。滑り台はそれなりに急で、危ないんじゃないか、と思うほどでしたけど、活発な子は何度も滑っておりました。


 いろいろ碑が立ってるんですよね。でも、読めない。


 これもちょっと読む気になれない。
 後で検索したら、読めない上に内容が難解で有名なものらしいです。


 写真ではちょっと見にくいですが、首都高環状線がこの山の下をくぐっているようです。


 ここが頂上らしいですね。


 なんだろうな、と思って行ってみると。


 ミニモノレールが通ってました。


 あっちが駅なのでしょう。新幹線も通ってる(停まらないけど)ようだし、頻繁に電車が行き来してます。のどかな風景だけど、電車の通る音がうるさい場所でもありますね。



 少し開けた街になってきました。


 あてもなくふらふら。


 守衛さんが立ってたりして、ここは何だろう。


 お札と切手の博物館でありました。守衛さんの居た裏側には、切手などの印刷工場のようですね。お札まで刷っているのかは教えてくれませんでした。
 せっかくなので見学しましたが、写真撮っていいのかよく分からず撮りませんでした。お金やお札の印刷にスポットを当てた、歴史や技術など展示に加え、詳しく説明してありました。まじめに見学すると小一時間はいられるかもしれませんが、僕は不真面目なので15分くらいの滞在でありました。


 移動を含めると、そろそろ都電にもどろかな。


 そういえば公園に紙の博物館もあったな。製紙発祥でもあったんだな。
 考えてみると王子製紙ってあったですね。アイスホッケーで有名だったんで、勝手に北の会社だと思ってました。ここが発祥で大きくなって現在に至るって感じっすかね。




 隣の駅に比べるとこじんまりとした都電駅であります。


 乗り込むと、さらに下町って感じの風景を抜けていくのでした。乗客は高齢の人が多くて座ってて申し訳ない感じもしましたが、すぐに降りられるのか、出口付近に行ってしまって目の前にお立ちでは無かったので、そのまま座らさせていただきました。まあ、歩き疲れてもいたんですよね(いいわけ)。最初に東京タワーを階段で降りたのがここにきて効いてきて、足腰がかなり痛くなってきました。


 終点の三ノ輪橋。


 降りた場所は、昭和的な商店街になってました。高齢者率高し。


 だいたいの感覚で、道行くままに。



 地下鉄駅はこの先だな。


 時計を見ると、もう少しくらいは余裕があるという感じ。まあ、飛行機には乗り遅れる心配はないでしょう。
 そう考えたら小腹がすいてきて、目の前の立ち食い(でも座れた)蕎麦屋へ。



 人形町で乗り換えて、そのままビュンです。


 空港着いた。便が減ってるので人が集中するんですよね。夕方の便ですが、ほぼ満席。行きも多かったし、元のように飛行機の便増やしてくれないですかね。まだ、航空会社はダメージがあるのかもしれませんね。お疲れさまでした。


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今作品が話題になるのは……   ROCA吉川ロカストリートライブ

2023-03-12 | 読書

ROCA吉川ロカストリートライブ/いしいひさいち著(自費出版)

 ネットで話題になっていて、興味が湧いて著者の事務所に申し込み購入。基本四コマ漫画だが、ストーリー性のあるものである。女子高生がポルトガル民謡で歌手を目指して奮闘する物語で、同時に後押ししてくれる友人との友情を描いている。基本はとぼけたギャグの連続なのだけれど、これが最後には不思議な余韻を残すものとなっている。なるほど、それで話題になっているのだな、と読み終わってはじめて理解できるというようなしろものである。
 しかしまあ、評判になるほど感動するのかというと、それほどなんだろうか。考えてみると最初から伏線は張ってあったとは思われはするが、やっぱり世の中というのはそうなのだろうか。そうかもしれないが、自分がそうではない人にとって、なんだかやはりそんなに簡単には割り切れない思いがあるのも確かである。それなりに苦労して歌手になっていくという段階があって、実際は下積みが長いということは言えるにせよ、その素地があるからこそ、だんだんと登っていけるということもある。比較が適当ではないかもしれないが、ビートルズだってそれなりに長い下積みがあるにもかかわらず、開花した後はあっという間のような印象を人々には残していると思う。むしろ何もない人は、そのまま続きもしないだろう。
 事情は知らないのだが、いしいひさいちというネームバリューのありそうな漫画家が、これを自費出版したということにも意味があるのかもしれない。大手の流通にはのらないという判断をされた、ということなのだろうか。読んだ印象としては、「何故?」がともる訳で、それこそがこの作品の話題になる「ズレ」のような感覚なのではないか。もっとこんな作品をこそ読者は読みたい。そういう願いとともにブームが起こっているものと考えたい。
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都電荒川線を行く

2023-03-11 | 散歩
 見つけた。都電荒川線(東京さくらトラム)の早稲田駅。
 都電なんで道の真ん中に駅があるんですね。まあ長崎でも一緒だけど。


 スイカだと170円のところ、168円。遊園地気分なんで、ものすごく安く感じます。


 動画録ろうかとも思ったんですが、結構頻繁に人が乗り降りするんですね。まさに庶民の足です。
 池袋方面に上っていって、なんとなく見覚えある風景があったんですよね。考えてみると、雑司ヶ谷で夏目漱石の墓探したり、鬼子母神にも行ったことあるんですもんね。ちょっと行って、とげ抜き地蔵で山瀬まみを見たこともあったな。なんかの取材だったんでしょうね。ということで、この界隈歩いたことあるようです。
 で、ふと聞き覚え或る地名で、これまでにも行ったことなかったな、と思って途中下車しました。



 東京にもこんな都電が残っているだけでも楽しいのに、いわゆる都会風でもないまちって感じで、いいですよね。



 そんでもって目的の場所は、飛鳥山であります。桜の名所って聞いたことあるけど、都民ではないし、ふつうここまで来ないですよね。



 子供が遊ぶ遊具がたくさんあるようです。


 なんとなく右手を行くと、



 あの、たくさんの愛人が居たと言われる人の銅像が。


 そういえば、渋沢栄一がここらあたりに住んでたんですね。


 チケット買わないと入れないとのことで、記念館から参りましょう。



 やっぱりなんだかすごい人だったようで。おそらく当時日本一のお金持ちで、ものすごくたくさんの会社を設立して、しかし温厚な性格もあって、特に失言するようなことも無く、もう一人の大金持ちの岩崎弥太郎のように庶民に嫌われることも無く、人生をまっとうした人なのでしょう。


 そういうことで、先ほどは入れなかった建物、晩香盧の中。応接の間だけなんですね。


 青淵文庫。たいして本が置いてあるわけじゃなかったです。


 これも生活感のない応接の間、という感じですね。



 二階には上がれませんでした。


 立派立派。



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何か、あれれ、が続く   ノイズ

2023-03-10 | 映画

ノイズ/廣木隆一監督

 島にサイコパスがやって来て、島民の青年ともみあいになり、偶然死んでしまう。ところがこれを一緒にいた数人が、死体隠蔽しようということになる。しかしサイコパスが島に来ることは事前に分かっていて、さらに既に島に渡ってきたすぐに保護の人間を殺していた。それで、サイコパスを探す捜査が大々的に行われることになる。一方島の新しい特産物として青年たちが栽培している黒イチジクがあるのだが、これを活かす取り組みとして、島をあげて5億もの補助金がもらえることになっていた。それでこの殺人を隠蔽する作戦が町長を絡めて大きくなりつつあったが、青年たちはあっさり町長も殺してしまうのだった。
 設定はそれなりに面白くなるような構造になっているのだが、脚本が悪いのか、科白に説得力が今一つない。成り行きでそうなるという流れが、かなり不自然なことになり、もう後戻りできなくなる。しかし捜査している刑事の言動は最初から行き過ぎているし、頭がどう考えてもおかしい。かなり問題になる行動を平気で行っていて、警察以前の問題のようにも思われる。そもそも島民がこれほど殺人を複数の人を絡めて隠蔽するなんてことは不可能で、しかし実際に殺人が明るみに出ても、それらの人々が捕まらない。基本的にお話が破綻しているように感じられてならなかった。
 途中でこれはダメだな、とずいぶん思いながら観たせいなのか、なかなか挽回できない映画だった。設定は面白くなって良さそうな要素も多いのだが、肝心なところで妙な動きを皆がしてしまう。それはちょっとないはずだから、方向が大きくずれ込んでしまうのである。結果的に犠牲者が積み上がってしまう物語となった。その関係者が黙っているはずもないのだし、もう少し破綻の在り方も変わっていたことだろう。原作のある映画のようだが、そのあたりはいったいどうなっていたのだろうか。
 俳優陣は豪華な感じなので、そのあたりで観る人も多いはずである。さて、素直に受け入れた人の方が多いのだろうか。そういうものだということなら、僕には何も言うことは無い。
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早稲田

2023-03-09 | 散歩
 キョロキョロしてたけど、目の前に駅ありました。


 日本橋で乗り換え。


 降りたのは早稲田。高田馬場から早稲田あたりは行ったことがあるような記憶がありますが、早稲田駅は初めてかも。駅員さんに都電の早稲田は何処ですか? と聞きましたら、小さい案内の地図渡されました。日常的に聞かれるようですね。「遠いですよ」と一言言われました。


 確かに覚えがあるわけではないし、朝夕は通学の学生さんの流れで分かるかもしれませんが、なんとなく閑散としてます。


 この辺りから右に曲がって、


 しばらく行くと奇妙な建物が。



 なんかのギャラリーだったみたいです。


 そこを左に行くとなんか見えてきましたね。



 早大の正門のようです。何の映画だったか忘れたけど見覚えあるんで、やっぱり撮影に使われてたんでしょうね。
 村上春樹は学校があまりに汚いんで入って後悔した、と書いてたな。いかにもって書き方だけどね。


 大隈講堂。正門の外にあるんですね。


 キャンパスに入れそうだな。そういえば偽学生も結構いるって聞いたことあります。そういうところはおおらかにやってるのかもしれませんね。試験に受からなくても、気分は味わいたい人もいるのかもしれません。


 すでに観光バスのようなものが。何かの集まりもあるのかな。


 通り抜けて、リーガロイヤルホテル。


 この通りをさらに左に、のはずです。



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複雑で難解で放り出される   テネット

2023-03-08 | 映画

テネット/クリストファー・ノーラン監督

 難解だとは聞いていたが、確かに訳が分からない。しかしそれがつまらないでは無いのが、ノーラン監督作品、ということかもしれない。
 何かの任務で敵に捕まり殺されかけたがなんとか助かり、それで再度たいへんな任務を任される男の、特殊ミッションのあらましを描いた作品。いちおう第三次世界大戦を食い止める作戦らしいのだが、時間が逆行する世界の中で人々が暗躍するので、今の状態がいったい何なのか、にわかには理解しがたい。その上に人間関係やプロットは非常に複雑で、時間の逆行が加わらなくても難解な物語のようである。いちおう物語は進行はしているものの、それは過去とのすれ違いとも同時に行われていたことが、後々分かることになる。妙な動きをしている場面が度々起こるのだが、フィルムを逆回りさせている中で、今の人間が時間をさかのぼりながら行動をしている。理屈では分かるが、まったく変である。トリックを観客に分かりやすくするために、ガラス越しに現在と過去が混ざることがあるけれど、それは後で考えると映画的な配慮もあるようで、見方を変えるとカメラワークもそれでよかったか、などと考えてしまった。時間をさかのぼるアイディアは、この監督はずっと撮り続けているテーマのようなもので、考えれば考えるほど、難解にならざるを得なくなっているのかもしれない。少しはそうだったのかな、というのはあるが、最初のころのあっと驚くトリックは、むしろ少なくなっているようにも感じる。過去を別角度で経験していた人は、すでに未来から来た人で、現在が交わると未来を知っている人になったりする。それは会話で分かるが、最初から知っているのなら、教えてくれよ、である。
 ということで、お話はよく分からないままだが、アクションは妙に凝っていて、面白いことは面白い。アメリカ映画らしく派手にドンパチやってくれるが、途中でフィルムの逆行映像と物理現象が混ざり合って、妙な効果を生んでいるのも確かだ。そんなことも起こるのか、という驚きとともに、同じ人が過去と現在と混ざり合うパラドクスも同時に考えざるを得ない。哲学的な問題が、現実に起こるとこうなるかもしれない、という監督なりの答えがここに提示されている、ということにもなるのであろう。
 ということで、全体的に見ると結局よく分からないまま妙な感慨の残る映画になっている。お好きな人はどうぞ、というものかもしれないのだが……。
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東京タワーから、増上寺

2023-03-07 | 散歩
 登ってみると、やはり見晴らしのいいところは飽きませんね。地図アプリ見たりして見比べて、ずいぶん楽しめるものです。最近の流行なのかどうか分かりませんけれど、見える方向に何があるなどの解説はほとんどなくて、見える方向に何があるのか、観ている人が勝手に確かめろよ、って感じで洗練されておりました。


 そんでもってトイレも真っ赤で、そういうスタイルなのかな、とも思いました。三十年前とは全く違った(たぶん)東京タワー体験でありました。


 それで、ここで一緒に見学していた人と別れることになったのですが、その理由は僕は階段で降りることになったからでした。


 登るのはともかく、降りるんだから何とかなるだろう、というのと、やっぱりエレベータとは違う体験ができると踏んで挑んだわけであります。


 面白そうだというのは気分的にはそうなのですが、これが後に思わぬことになるとは、知る由もなかったのでありました。


 何しろとにかく階段を下りるばかり。600段という事だけれど、延々と階段を下りているだけであるのです。


 時々風が吹いて、なるほど外だとは思いますが、金網に囲まれている籠の中の階段で、安全面では正解だけど、怖い感じではありませんでした。


 降りてきて見上げると、なかなかのアートでありました。


 これからどうすっべかな、と思いましたが、それこそ三十年前に来たはずの増上寺に行くべさな。


 振り向くとさっきまで居た東京タワー。WIO.(これ、行けば分かりますが、言わされるのです)


 それでこちらが増上寺。まあデカいことはデカいですね。


 中も荘厳で立派でした。


 何かイベントでもあるんですかね。


 僕以外は、おそらく韓国の観光客くらいしかいませんでしたが、参拝者もたくさんあるのでありましょう。



 最寄りの駅を探しますか。


 これが大門なんですね~。


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数学は生きていくために役立つかも   CUBE

2023-03-06 | 映画

CUBE/清水康彦監督

 副題なのか「一度入ったら、最後」とある。この設定の映画は観たことあるな、と思ってたらリメイクだという(ただし結末は違う)。目覚めたら、金属的な四角い部屋の中にあって、その理由は分からない。部屋の6方向にゲートがあり移動できるが、部屋によっては何故かトラップがあって、その仕掛けにより残酷に殺されることが示唆されている(最初にそれで死ぬ人があり、観客は簡略的にそれは理解できる仕組みだ)。ともかく死なないように移動して、このへんな世界から抜け出そうとする6人の物語である(一人は最初に死んでいるので、登場人物としては7人だが)。
 不条理なのだが、シチエ―ションだけで押し切っている作品である。徐々に明かされるそれぞれの秘密めいたものはあるが、誰が何の目的でこのようなゲーム的なことをしているのかは、よく分からない。ただ生存をかけて、中の人間は格闘しなくてはならないサバイバルゲームである。
 食事やトイレはどうするのか? という問題はあるが(女性も一人いるし)、いったんそういうものは無視されている。時間制限も分からない。安全かもしれない法則も割合早くに分かるが、それでも犠牲者が出て人は減っていく。登場人物の顔ぶれで、だいたい誰が生き残るのかは予測できるものの(とはいえ、そこに意外性もあるが)、一定の緊張感のある舞台劇めいた、しかしやはり映画的な作品かもしれない。
 すでに書いたような問題点を受け入れられるならば、小品としての面白さはあると思う。ホラーと書いてあるが、そういうものなのかもわからない。思考実験であり、不条理なので、これをどうこう言っても始まらないとも思う。何しろ適当な理由すらない。極限の環境にあって、問題を抱えているらしい人間のギクシャクした関係性を、嫌な気分になりながら楽しむよりないだろう。
 元の映画は97年に作られたカナダ映画らしく、続編も二本ある。僕もいつ見たのか定かでは無いが、二十年以上前であろう。記憶では元映画の方が人間関係が激しく、サスペンス要素が強かった感がある。今作は、日本的にそのあたりはソフトなのかもしれない。実際の話最初の死者などは、あのように死んだら、もっと激しい血が流れるはずだろうし、物理的にもあり得ないのではあるまいか。
 ということで、惜しいところもあるが、それなりに興味が持続して見られるのも確かだ。ずっと続いて欲しい設定では無いが、やり方によっては、まだまだ仕掛けはできそうな気もする。何しろ思考実験なので、そういう設定を見た人は、応用して楽しんでもいいのではないだろうか。
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見晴らし良いとこ行きました

2023-03-05 | 散歩
 
 上京するのは、確かに久しぶり感があります。


 でもまあ、いつものような気もするし、実際いつものような出だしで始まりました。 
 SL広場は工事中のようで、つれの人には残念だったようですが……。


 一応確かめることは済んで、じゃあ飯でも食いましょう、という事になって、しかし烏森神社にもご挨拶を。


 東京は名物があるわけではなくて、ラーメンというのも貧しい感じなんですが、並んでいる別の店で家系をいただきました。
 店員さんは完全に日本人ではありませんが、それはもう、日本の原風景のようにも感じられます。それでも味は、ああそうだよな、という感じでしょうか。


 新橋って感じですよね。


 本番は夜という事で。


 公園では、昼休みの人で結構にぎわっておりました。







 会議は無事終了。ホッとして居酒屋で飲んで、そうしてもう少し飲み足りない人とさらに二次会もおでん屋に行きました。
 久しぶりに会うというのもありましたし、結構楽しく時は過ぎたのでありました。







 そんでもって朝になって、さて作戦を練らねば。


 そういえば泊まったホテルの部屋には、洗濯機が設置してありました。長期滞在型のホテルだったのかな。


 でも、僕らは一泊だけだったので洗濯もせず、出発であります。


 塩釜神社参拝しました。
 

 お、見えてきたぞ。


 結構この辺りまでは毎回来ているのですが、やっぱりいい面構えですね。


 大きいものは近づいて、さらに遠くにある感じも致します。



 プリンスホテル。


 やってきたのは東京タワー。じつは東京タワーのは三十年ぶりくらいではなかろうかと。ドキドキしてきましたよ。二十代のころ初めて一人で出張したときにやってきたんじゃなかったか。こんな感じだったっけ? って感じでした。


 この日は天気が良くて、富士山も見えました。ラッキー。


 スカイツリーも見えました。


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意地の悪い人がいじめられる   DAU.ナターシャ

2023-03-04 | 映画

DAU.ナターシャ/エカテリーナ・エルテリ、イリヤ・フルジャノフスキー監督

 うーん、なんだろうな、これは。何かの雑誌で勧められていたので興味をもって観たはずだが、その紹介文を書いた人間をぶんなぐってやりたいくらい変な映画だ。
 設定はソ連の研究施設の中の軍人や研究者がやって来る主に食堂が舞台である。ウェイトレスが二人いて、最初は仲が悪いのかな、と思っていたが、客と意気投合してガンガン飲む。そうして盛り上がりすぎて、フランスからやって来た研究者の男と、年配の方の女は一晩セックスに燃え上がる。実際この場面が、不必要に長い。酔っぱらってるのによくやるものである。そうして同僚とだべっていい気分だったが、後日当局から外国人と寝たということで執拗な尋問を受けて、いじめられて拷問めいたことになり、言うことを聞くようになる。それでどうなったのかは、よく分からなかったのだが……。
 これが映画でないとは、確かに言いきれるものでは無いのだが、もっとつまらない作品だってたぶんあるんだろうとは思うのだが、いわゆる前衛的であり、体制主義批判があるのかもしれにない。当時のソ連はこんな感じだったのですよ、という告発なのか。プーチンはこの流れの人なのだろうか。まあ、そんなことは分からないが。ともかく、なんだか嫌な感じをダラダラ見せられる映画なのだ。勘弁してくれよ。じっさいセックス・シーンなんかは早回しして見るよりなかったけど。
 あまりにもつまらない映画は、かえっていろいろ考えさせられるものなんだけれど、なんというか、そこが浅い映画だとそういうこともあんまりできない。調べようと思ったらこの映画にはいろいろな背景があるらしく、一連の映画を撮るものの中の一部であるらしい。何か壮大な計画があるらしいのだが、だからと言ってこんなひどいものを作らなくてもいいと思うのだが、かえってそういうことに興味をそそられて、ぜんぶ見てしまおうというツワモノが現れるのかもしれない。そうしてやはり自慢しなくてはならないので、(面白いはともかく)凄い映画だった、と宣伝するのだろう。もう迷惑だからやめてもらいたいものである。まったく。
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城山公園に行った

2023-03-03 | 散歩
 訳あって、隣り町川棚に来ました。さらに訳あって、時間よりだいぶ早くに来てしまいました。
 と、なると、お散歩いたします。ふだんは車でしか来たことないので、歩いて回るなんてことは、たぶんなかったかも、です。


 川棚川。もちろん上流の波佐見では、波佐見川といわれております。
 河口近くなので、実に緩やかに流れております。カモがたくさん休んでおりました。


 僕は地元民ではありませんので、何やら抜け道のようなものを見つけると、確かめてみたくなります。


 妙な階段だな、とは思いますが、登ってみても妙であります。


 この階段、一応整備されてはいるものの、ほとんど人の通ったという感触がありません。そうでありながら、なんとなく定期的に人の手が加わっている(おそらく行政)という感じなんですよね。助成金か何かあるのかもしれません。


 急な階段ではありますが、抜け道でもあるし、歩いているだけで冒険感が満載であります。



 誰ですかね。こういう命名をした人は。


 登ってみると、見晴らしはいいなあ。

 城山公園というところらしいです。
 実は他にも写真撮ろうともくろんで、もっと高台を目指したんですが、ベンチといいますか、そういうところに座っているカップルが、激しく接吻をしている最中でありまして、静かに遠慮致しました。いろいろ事情はあるんでしょうけれど、そういう気分になるような場所なのかもしれません。それにしても、生の激しいヤツなんて、目撃する機会なんてほとんどありませんから、びっくり致しました。若い人は、とにかく頑張ってください。


 野音会場もあるんですね。人が集まると、面白い事にはなるんでしょうけれど、駐車場が広くあるわけでもないし、あえてここを選ぶという事も聞かないし、なかなか難しいかもしれません。
 僕は田舎の青年出身なので、特にこういう使い勝手のようなものが気になります。結局制度が厄介であれば、若い未熟者が使うはずがないのです。本当のところは知る由もないのですが、そんなことを勝手に考えてしまう立派さかな、とも思ったのでありました。
 それでも素晴らしい、いいところですけどね。


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遊びに行くなら天気を確かめろ   13人の命

2023-03-02 | 映画

13人の命/ロン・ハワード監督

 何年か前に実際に起きた、タイの洞窟内少年救出事件を題材に、その顛末を描いた作品。事件は連日報道もされていた記憶もあるし、内容もおおかた知っていたと思っていたはずだが、改めて映画で観てみて、その驚愕の事実に只々驚かされるばかりだった。
 少年サッカーチームが練習をはねて洞窟探検のような感じで、コーチとともに遊びに行く。ところが直後に季節外れの豪雨が近くで降ったらしく、洞窟内の水位がどんどん増して、奥まで入り込んでしまった13人は、洞窟内に閉じ込められてしまう。おそらく洞窟内だということは分かってはいるものの、大人たちはどうすることもできない。大変な騒ぎになり、国内外から様々な支援の人々が、このタイの農村へ押しかけてくる。
 そんな中、洞窟の専門のダイバーをやっている英国人グループがいる。タイにも軍専属のダイバーがいるが、洞窟内の視索という任務で、ベテランである英国グループが、とりあえずできるだけ奥まで探索することになる。彼らとしても既に時間が経過しており、事態はたいへんに厳しいため、遺体の回収ができればという考えもあったが、洞窟内は複雑でかなり奥までの経路があり、5時間以上もかけた先に、すべて生き残っている少年たちを発見するのである。それまでに既に一週間の時間が経過していた。
 生きていることは良かったが、さて、救出方法が無い。洞窟内にはいくつかスポットのような空間があるが、その出口から一番近い空間に軍隊の人間が一人取り残されてしまったおりに、ベテランが付き添って洞窟を潜水したが、途中で恐怖に暴れ出してしまい、たいへんに危険な状態に陥ってしまった。ましてや5時間を超える洞窟内の移動を、まったく素人の少年たちが行うのは、ほぼ不可能と思われた。その間に水かさが増すなどの問題もあり、洞窟内の酸素濃度も減っていく。実際の雨季までの時間もそんなに余裕が無い。そういう中物資輸送中のタイ人ダイバーが、事故で亡くなってしまうのだった。
 ついつい、ぜんぶあらすじを書いてしまいたいくらい次々に問題が起こり、関係者は頭を抱えてしまう。事情は複雑に絡んでいて、救出に伴う様々な困難や条件の悪さが、どんどん露呈してくる。洞窟前はさながらキャンプ地になり、遭難している家族だけでなく、報道陣や各国の要人や、おそらく野次馬などの人間と、それらの食事などので店が立ち並ぶようになり、どんどんお祭り騒ぎになって行くのだった。
 こういう映画は過去に観たような記憶があると考えていたが、おそらくそれはハワード・ホークス監督の名作「地獄の英雄」である。リメーク作品とはいえないのだが、落盤事故で閉じ込められた男を救出する騒ぎが大きくなって、有名になっていく記者を描いた作品である。それの原題が「Ace in the hole.The big carnival」である。世間の注目を集める中、事件はどんどんお祭り化していく。ある意味では仕方が無いが、そういう中、死と隣り合わせの任務を遂行する人々の思いはどういうものだったのか、しっかりと見ごたえのあるサスペンス作品に仕上がっているのではなかろうか。結果を知っていても、かなり面白いので、何も知らないで見たら、とてもこれが実話だとは信じられないかもしれない。少なくとも天気の悪い日に、洞窟に入るなんて気には、とてもなれなくなるだろう。
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