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日本の戦争力/小川和久・聞き手坂本衛著(新潮文庫)
内容は本の題名の通り。インタビュー形式になっており、理解しやすい仕組みになっている。もちろん聞き手の興味のバランスという問題もあるのだろうけど、ある程度のボリュームもあって、網羅的に日本の軍事力が分かるということになっている。
日本の自衛隊の力は、ものすごく当たり前だが、米軍のアジア戦略の補完的な力を中心に補強されているという現実があるようだ。それは確かに歴史的な背景もあり、ある意味では仕方のないことかもしれないが、しかしながら、日本という自国を守るという観点から考えると、実にいびつな軍事力だということのようである。米軍の補完的な力であるから、米軍の弱いところは日本が世界的にもかなり強力な力があるし、アメリカの強い部分は、まったくお粗末なままだということでもある。安全保障上それでいいという考え方もあるのかもしれないけれど、本当にそれでいいのかというのはかなり疑問である。安保があるからアメリカは日本を守るのは当たり前だと胸を張っていう人があるけれど、ではアメリカに向かって本当に胸を張って対話なんてものが出来るのだろうか。それは近年の歴史を見ても明らかすぎる背景のようにも思えるのだが…。
一蓮托生といえばそうなのかもしれないが、確かにそれで上手くいっているところもたくさんあるのだろうけれど、素直に見るといびつな状態をいつまでも補完しあわなければ成り立たない関係であるのも確かである。あえて離れる必要など無いのだけれど、しかし未来永劫このままの関係が本当に続くものなのだろうか。政治的に大人の対話という表現も度々聞かれることがあるわけだが、ほとんどの日本人はそんなことは信用していないのではないか。マッカーサーから12歳の少年といわれれば、激しく怒る気力はあったようだけれど、現在となっては、そんな気持ちさえ湧きあがらない国民になっているのではなかろうか。
残念ながらお近くには北の将軍様もおられるし、恐らく将来的にも脅威を増していく大国も近所に控えている。日本の領土だ、と国内向けには声を大に叫んでいても、日本人の入れない国土も持っているのが現実だ。そんな国でありながら結果的にはおおむね平和で無頓着で生きてこられた。このしあわせは単なる運の良さだけなのかどうか。そういうことも時には思い出してみる必要があるのではなかろうか。出来れば非常時で無い冷静な時こそ。
内容は本の題名の通り。インタビュー形式になっており、理解しやすい仕組みになっている。もちろん聞き手の興味のバランスという問題もあるのだろうけど、ある程度のボリュームもあって、網羅的に日本の軍事力が分かるということになっている。
日本の自衛隊の力は、ものすごく当たり前だが、米軍のアジア戦略の補完的な力を中心に補強されているという現実があるようだ。それは確かに歴史的な背景もあり、ある意味では仕方のないことかもしれないが、しかしながら、日本という自国を守るという観点から考えると、実にいびつな軍事力だということのようである。米軍の補完的な力であるから、米軍の弱いところは日本が世界的にもかなり強力な力があるし、アメリカの強い部分は、まったくお粗末なままだということでもある。安全保障上それでいいという考え方もあるのかもしれないけれど、本当にそれでいいのかというのはかなり疑問である。安保があるからアメリカは日本を守るのは当たり前だと胸を張っていう人があるけれど、ではアメリカに向かって本当に胸を張って対話なんてものが出来るのだろうか。それは近年の歴史を見ても明らかすぎる背景のようにも思えるのだが…。
一蓮托生といえばそうなのかもしれないが、確かにそれで上手くいっているところもたくさんあるのだろうけれど、素直に見るといびつな状態をいつまでも補完しあわなければ成り立たない関係であるのも確かである。あえて離れる必要など無いのだけれど、しかし未来永劫このままの関係が本当に続くものなのだろうか。政治的に大人の対話という表現も度々聞かれることがあるわけだが、ほとんどの日本人はそんなことは信用していないのではないか。マッカーサーから12歳の少年といわれれば、激しく怒る気力はあったようだけれど、現在となっては、そんな気持ちさえ湧きあがらない国民になっているのではなかろうか。
残念ながらお近くには北の将軍様もおられるし、恐らく将来的にも脅威を増していく大国も近所に控えている。日本の領土だ、と国内向けには声を大に叫んでいても、日本人の入れない国土も持っているのが現実だ。そんな国でありながら結果的にはおおむね平和で無頓着で生きてこられた。このしあわせは単なる運の良さだけなのかどうか。そういうことも時には思い出してみる必要があるのではなかろうか。出来れば非常時で無い冷静な時こそ。