カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

美しい人

2012-04-29 | 映画
美しい人/ロドリゴ・ガルシア監督

 9つのオムニバス作品。短編小説集という感じ。もっというと断片小説的というか。映画ではあるけれど長回しのワンシーンのみの断片集になっていて、お話のつながりは特にない。
 テーマは確かに女性ということらしいことは分かるが、僕は男なのでこれが女性的な物語なのかは何となく自信が無い。女の悲しみというか、さまざまな立場に立たされた女の苦悩というか。
 演劇の腕比べ合戦という感じもする。熱演ばかりで、見る人が見るとそれなりに感心しそうである。若い人から年配の人まで、上手い人たちが競っている上に、そういうものが映える演出ということかもしれない。
 断片で適当なところで話が切れるので、わけのわからないものもあるのだが、オチがどうということを言いたい訳でなく、そういう状況になったらこのような感情になるだろうということを言いたいのだろう。
 この監督は少なくとも、こういう状況は女の方が絵になるという思いがあったのだろう。もちろん男も出てくるのだけれど、やはりかき回し役である。きっかけが女の方だった場合があったとしても、結果的にひどい目にあわされたり、感情が揺さぶられるようなことに陥らされてしまうのは、ある程度男のせいである。繰り返すが僕は男なので、そういう状況になってしまう女の人に、妙にお気の毒な気分にさせられてしまった。よく一方的に男が非難されることが多いように日頃は感じているのだけれど、やはりお気の毒なのは女の人の場合が多いのかもしれない。そうしてある程度はそういうものを引き受けてくれる人が居るために、相手の方だってある程度は救われている訳だ。
 しかしながら男の方だって、日頃は女の人からひどい目にあわされたり、振り回されたりしているように感じているものだ。ただ、だからお互いさまじゃないかと手を差し伸べたとしても、恐らく振り払われるのだろうな、とは思う。そういうバランスの悪さというのは、いわば宿命めいたものであるということだろう。まあ、時にはそういうことを確認して、仕方ないもんね、とため息をついて忘れるより方法が無いのであろう。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 主役すぎるので遠慮してもらう | トップ | 決意のための力を借りる »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。