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あの頃、ペニーレインと/キャメロン・クロウ監督。これはバンドを追っかけて記事を書いているライターの目からバンドを見た、という視点が面白い。基本的には恋愛映画ではあるんだけれど、ツアーという興業で食べているバンドマンというのは、まさに旅芸人なんである。かなり無茶苦茶で変な仕事である。人気稼業だが、しかし他人の目なんて気にしてたらやってらんない。若いころには憧れていた職業だけれど、僕にはとても無理だな。まあ、平凡というのは尊いことかもしれません。
ヘドウィグ・アンド・アグリーインチ/ジョン・キャメロン・ミッチェル監督。元ミュージカル作品だというが、まあ、そうですか。内容的にもショッキングな感じもあるし、色物でもあるんだけれど、だからといって名作でないと誰が言えるだろう。そういう目で敬遠せずに、楽しんで観たらいいと思う。考えさせられることもあるだろうし、素直に笑い飛ばしても全然いい。しかし屈折していても素直であるという生き方については、僕は勇気づけられましたです。素晴らしいです。
ジャージー・ボーイズ/クイント・イーストウッド監督。これは元ミュージカル作品があるらしい。さらに実話をもとにしたことがよく分かると思う。成功談だが、同時に悲しい人間の性も描かれる。イーストウッドの実直な演出ながら、物語にもぐいぐい引っ張られる。映画としていい映画だ。当然歌も素晴らしい。エンディングも好きだな。
エンディングで思い出したが、タケシの座頭市もいいし、ファレリー兄弟の映画のエンディングもそれぞれに楽しみである。映画を全編見直すことをしなくても、エンディングの歌を皆で歌っていい気分、というのがいいのだ。アメリカ人の監督さんも僕と同世代なんだな、などと夢想する。日本もアメリカも青春時代に流れていた音楽は、よく似ているのである。
アンヴィル/サーシャ・ガヴァシ監督。これはもう文句なく一位。涙なしには見られない名作といっていいと思う。けど結構笑えもする。実はほとんどドキュメンタリーで、いやしかし、ドキュメンタリーだからこそ、奇跡的なお話のようにも感じる。ミュージシャンにとって桃源郷があるとしたら何処か? 驚きの結末におののくがいいと思う。
内容としては同じく、ミッキー・ローク主演の名作「レスラー」とよく似た構図の映画。これも面白いので、あわせて楽しんでください。
以上、25作品+αの紹介をしてきたわけだが、音楽映画も実に多様なものだと改めて感じた。思い出せなくて紹介できなかったものや、当然パスした作品も多い。好みということでご勘弁ください。また、こんなのも面白かったよ、というのがあれば教えてくださるとありがたいです。僕自身コツコツ楽しみたいと思います。また、補充できることがあれば、将来的に紹介できるといいなと思います。