カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

時代がかってふざけている   ハムレット・ゴーズ・ビジネス

2020-05-09 | 映画

ハムレット・ゴーズ・ビジネス/アキ・カウリスマキ監督

 シェークスピアのハムレットを解釈しなおして、現代劇にした作品らしい。元ネタのハムレットはよく知らないので、どのように味付けされているかも、正直言って僕は知らない。しかしながら父が毒殺され、母は父を殺したその一味と結婚し、父の事業を継いだハムレットには、悪だくみに長ける集団が、彼を陥れようとする、といった一連の流れは、なんとなく原作に沿うものなんだろうな、というくらいは、分かる気がする。ハムレットには悪をたくらむ一味の娘があてがわれるが、そうしてハムレットは体だけが目的だったかもしれないが、結局その娘と恋に落ちる。はぐらかされてして苦悩するが、彼女の方もハムレットに気持ちが芽生えていき、こういう形で結ばれることに戸惑いを覚えるようになっていったようだ。そういう中で、策略に気づいたハムレットは、怒りもあって彼女を振りほどいてしまう。復讐劇が始まるわけで、最終的にはたくさん人が死んで、ハムレットも殺されて終わる。よく分からんが、サスペンスとコメディが混ざっている様子であった。
 要するに北欧のカウリスマキ作品であるということだ。あえて白黒で撮影されているが、大げさに時代がかった演出のためかもしれない。実際幽霊が出てきても、ひどく特撮めいたところが無く、トーキー時代のドイツ映画みたいである。会社の陰謀についても、よく考えてみると、そういう陰謀が果たして成功したとして、そんなに楽しいことかな、とも思う。大きな会社らしいが、結局オーナーであるハムレットが強すぎる。悪い方が困らせられて、ハムレットを邪魔に思う方が当たり前ではないか。さらに次々にハムレットから殺されてしまうわけで、可哀そうである。
 変な映画であるというのは分かるが、たぶんそういうものを期待して観ていたことは確かである。カウリスマキ作品は、そういう魅力があるからである。妙に感情を押し殺して、そうして坦々と意外な行動を起こして、面白い、というのが定番だからである。ところがこの作品は、何か感情が揺れ動いて、さらに人がたくさん死ぬ。要するに、あまり出来栄えは良くないのかな、ということであった。まあ、独特の雰囲気を楽しめないことは無いのだけれど。
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