カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

キノコが世界を変える(らしい)

2022-11-07 | Science & nature

 子供のころ松本零士の漫画を見ていたら、押し入れに入れておいた、おそらく洗っていないパンツなどから、キノコが生えてくるというのがあった。一人暮らしの男というのは、それくらい不潔であるというギャグなのだろうけれど、そういう男であっても最終的には美しい女性に好かれたりするファンタジーもあるのだった。今考えると、やっぱりあり得ないよな、とは思うが、男の哀しい願望なのであろう。
 これも漫画だが、西岸良平(三丁目の夕日の原作者)のものでは、家に生えてきたキノコを、貧乏のあまり食べるようになると、なんだか特殊能力を授かるというのがあったように思う。なんという漫画のタイトルだったかは思い出せないが、本当にそんなことがあるといいなあ、と思った。しかし得体のしれないキノコを食べる気には、どうしてもなれない。
 それでも年に何度か、新聞などで毒キノコを食べて死んだ人の記事が出る。世の中には勇気のある人がいるもんだな、と思う訳だが、実際のところは毒とは知らずに食べているわけで、何か毒でないキノコと誤って食べてしまうものらしい。
 以前一緒に飲んでいた地域のおじさんと、キノコの話題になった。テングタケなど、時にシイタケなどと間違って食べる人がいるのだろう、ということだった。「やっぱりあれは苦しんで死ぬんですかね」と僕が言うと、「いや、腹が痛くなってヤバいな、と思うけど、翌朝には治ってるよ」ということだった。実際に食べた人を目の当たりにして、とても感心したものだ。
 ところでキノコの姿を見て僕らはキノコだと思う訳だが(当たり前だ)、実際のキノコの姿というのは、その根元の下に広がっている菌糸の姿の方だという。キノコの実態というのは、例えば倒木などに、この菌糸を張り巡らせて、分解させているものであるらしい。相当範囲に菌糸を伸ばしつくし、その場で分解・栄養を吸いつくす後に、新天地を目指して胞子を飛ばす段階になって、初めて地上などに姿を現す。あるものは昆虫などに捕食されることで胞子を別の場所に運ばせたりもするが、多くの場合は傘など広げて胞子自体を空中に飛ばして、生息地を広げていくらしい。
 また近年になって知られてきていることだが、雲の形成にも影響があるらしく、雲を形作る核になるような微細なチリの中に、キノコの胞子が多く含まれていることが分かってきた。そういう訳で、雨を降らせるシステムと、キノコの関係が注目されているという。我々生命体は、キノコの恩恵なしに、地球では生きていけないとも考えられているという。にわかには信じがたいが、自然というのは、信じようが信じまいが勝手にそうなっているということで、人間はそれを知るか知らないか、という存在に過ぎないのである。
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