カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

ギャンブル依存症の恐怖と教訓

2024-05-04 | net & 社会

 大谷選手の通訳の賭博事件を通じて、いわゆるギャンブル依存症と、特に若年層に広がっているとされるギャンブル依存にかかりやすい社会環境の変化について、関心が集まっているという。通訳の一平というひとは、現在奈落の底に突き落ちている状態だと思われるが、それはおそらくその家族も含んでのことだろう。大筋では本人としては自業自得だが、その周りの人に、いったい何の落ち度があったというのだろうか。
 大谷選手が大物だからその周辺の人物が狙われて、そうして引っかかったのが彼だった。そういう事件の背景も明るみに出ているわけで、狙った上に違法の同元である人間は、何の起訴の動きも無いのだという。騙した方は合法の範囲にいるという事らしい。さらにその胴元と言われる人物は、過去に同じようにギャンブルで破産したことのある人で、自分がはめられた手口を用いて、それでこの世界でまたのし上がったということなのだった。それが米国社会だと言えばそれまでだが、割り切れない思いがするのも普通の感覚なのではあるまいか。
 280億という負け総額の数字もさることながら、そんなものはそもそも返せるはずが無いのだから、最初から落とし込んでいるだけのことだという事だけは明らかだ。結局それは、金づるを持っている人物に破綻するまでお金を貸して、行きつくところまで行った到達点ということなのであろう。病気なのだからやっちまうだけのことで、周りの人間が気づいたときには、既に火の車だったということなのだろう。このような脅威に無防備だったという一点において、その不備のために大谷サイドは追い詰められた訳だ。
 また、一平という人はそもそも、合法のスポーツの賭けは以前から習慣的にやっていたらしい。合法の賭けの方は、最初に課金する必要があって、それこそ自分の持っている範囲でゲーム・オーバーである。彼の心理は分かり得ないが、それだけでは物足りなくなるというか、大谷選手の後ろ盾がある(彼は金を恐ろしく持っている訳で)ことを知っている胴元から、いくらでもお金を貸してもらえる環境になって、のめり込んだのである。ギャンブル中毒になる素地は、合法ギャンブルに飽き足らなくなる心理を突いた、魔の誘いなのである。ふつうは破綻する人間に金を貸すような人間はいないはずだが、相手が破綻するまでの通過点であっても、大金が稼げることを狙っているのだ。
 こういったことが、どうしてもなんだかもやもやする原因なのだが、今のところ日本の大きな関心は、情け心で金を工面した可能性のある大谷選手に、本当に違法性があると判断されてしまうことにあるようだ。あちらの法律だから、よく分からない部分は一旦すっ飛ばして、そういう関心になってしまうのだろう。それって結局次のターゲットを救う手立てには、まるでなっていないようにも感じられるわけで、さらにもやもやしてしまう。もっともこれだけの大きな事件になったことで、海外に出ていく選手は緊張感を持っていくことにはなるだろうし、また日本にいる他のギャンブル中毒とその家族においても、何らかの道筋を立てられる材料になっていくかもしれない。そうでなければ、このもやもやの行くべきところを見つけられないのである。
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