カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

検証できれば、答えには行きつくが

2024-09-28 | Science & nature

 夏になると日本の場合、怪談ものが急に増える。暑い夏を少しでも涼しく、という意味があるというが、それも怪しい。夏場は盆もあるし、夜に出歩く機会も増えるとも考えられるし、そういう事とも関係あるのではないか。特に子供が集まる行事なんかもあるし、肝試しのような遊びも多い。まあ、面白かった思い出も無いでは無いが、習慣というか、風物詩としての恐ろしさの季節なのかもしれない。
 僕は特段のホラー好きでは無いが、そういう分野がある以上、結構読んでしまっているかもしれない。そんなに目新しい思いをすることも少なくなったが、基本不思議な体験と共に語られる都市伝説系のものが、なんとなく近年は増えているような感覚がある。確かにお岩さんのようなものは、ひどくかわいそうすぎるいじめ問題のような気もしないでは無いし、不思議な経験という一回性の物語の方が、身近なものとして受け入れやすいのではあるまいか。
 それでまあ、そういう面白さに特化した作り話については、それはいいのである。何しろ楽しみなんだから、よく作られたものの方が良い。ちょっと気になるというか、そうであってもいまだにまだ、「科学では説明できないこれらの現象」という事実の記録として、これらの怪談などを扱う人が多いことかもしれない。いやいや、科学で証明できない事実が、怪奇現象というものですらないのではないか。
 実際のところ、それらの怪奇現象が作り話でない限りは、ほとんどの場合、科学的に説明が済んでいるものばかりである。どうして怪奇現象のようなことが起こるのかというのは、たいてい検証されつくされていると思われる。ちょっと調べたら、そんなことはほとんど自明で、すぐにわかるものばかりだろう。人間が体験する不思議な現象というのは、人間だから体験しているとも言えて、そういう方面からも解説しているものは多い。人間という生き物は、抽象も扱う力があって、そういうものから類推して、さまざまなものを見ることができる。見えるだけでは無くて、そういうものを感じ取ることもできるわけだ。それは特殊能力として備わっているという事では無くて、個人的に感じられるような事であっても、その個人だからこそ感知できることであることからも、かなり説明のつくものである可能性の方が強い。分かり切っているわけではないのかもしれないが、慎重にそれらを検証することによって、かなり科学的に説明することは可能になっている。要はそれを理解できるかどうか、という問題に過ぎないのではないか。
 しかしながら恐怖というのは厄介で、僕はニ十センチを超すゴキブリを見たという人も知っているし、悪魔の話声を聞いた人も知っている。皆その様な生の体験をしたからこそ、その恐怖に打ち震えている。それは、確かに事実とは違うはずのものではあるが、本人の体験には違いないものだろう。見間違いや聞き違いを除外して、それで説明を求められても、絶対に答えには行きつかないだけのことなのであるけれど。そうして、そうであると頭でわかっている人であっても、恐怖感を抱く感じというのは、確かにあるものなのだ。怖い話を聞いた後に一人でトイレに入るだけでも、ちょっとした不安に襲われるのが普通のことなのである。それが涼しい出来事なのかは、僕にはよく分からないが、それが文化と言えば、そういうものなのかもしれない。
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見守る中で、期待を込めて

2024-09-28 | 時事

 自民党総裁に石破さんが選ばれた。事実上の首相ということになり、日本は共和制ではないので、民主的な王様である(もっとも権力がある立場である)。高市さんが頑張りすぎて得票を伸ばしたことで、奇妙なバランスをとるという変な自民党の気質が現れ、奇跡的な再逆転が起こった。少なからぬ人々が仰天したのではなかろうか(投票した当人たちが)。これで選挙には弱くなったので、すぐに選挙はなくなった可能性が高いが、中・長期的には、さて、どうだろう。
 石破さんは自民党内の野党的な人だから、いわゆる王道ではない奇妙な支離滅裂な発言が多いわけだが、地元選挙では絶対に負けることのない超サラブレッドなので、これまでは自由なだけだったわけで、おそらく組織人としては豹変するだろう。読書家としても知られケチでも知られるが、実際は国民に本当のことを言えばウケないので、悩みながら発言していたとも考えられる。それが訳の分からないことを言っていた原因とも考えられないではないが、文章におこすと(いわゆる翻訳してまとめる人の作業が加わると)わからないではないことを言っていたことの痕跡もあるので、あんがいまともなことをするかもしれない。
 逆転の立役者と考えられる菅さんをはじめとする勢力が、どのようなかじ取りで人選に関与するかで、国政は面白くなるかもしれない。今回は9人もの候補者が出て論戦を繰り広げ、前哨戦として面白いだけでなく、様々なアジェンダで問題点が浮き彫りになっている。それらを細かく議論を深めるだけでも、日本の将来的には、いいものは結構あるようにも感じられる。もちろんこれまでうまくいかなかった理由があるわけで、簡単ではないのは明らかだけど、いわゆるそれなりに役者はいる訳で、派閥解体があるとはいえ、面白い人事になるかもしれない。
 当初は期待感の方が大きいので、特に自由がある。何をやっても、大きな批判よりもそれを見守る感情の方が勝るだろう。それだからまずはスタートダッシュ。魑魅魍魎たる誘惑と雑音が一斉に畳みかけるように覆いかぶさってくる中、どれだけ自分を保てるか。まあ、見守るより外にできない立場としては、頑張ってもらうより無いのではあるが……。
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