カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

いろいろと理想と偏見の錯綜した物語   私の家政夫ナギサさん

2024-09-16 | ドラマ

私の家政夫ナギサさん

 子育てのために仕方なく専業主婦として苦手な家事をやらざるを得なかった母の怨念を背負った女性が、仕事はフルに頑張るものの、やはり家事までは手が回らなかった。そんな母と折り合いがつかず疎遠になっている妹から、スーパー家政夫ナギサさんを派遣してもらうことになる。しかしながら男性家政夫には抵抗が強く、なかなか受け入れる気になれない。仕事では、ライバル製薬会社のイケメン男性から、仕事を奪われる危機に瀕している。女性として何もかも完璧にこなすなんてことはそもそも無理な話で、実際に家政夫が家のことをやってくれているおかげで、徐々に生活にゆとりが出で来ることも確かなことである。それにナギサさんというおじさんは、人間的にも素晴らしすぎるくらいの人で、さまざまな面で精神的にも助けられるようになっていくのだったが……。
 設定が逆なら、きわめて普通のラブコメなのだが、それが逆ではなくこのようなことになると、いろいろと現代にも残る偏見などとも戦わなければならない問題となる、ということなのだろうか。僕なども昭和的に家のことはつれあいにまかせっきりなので、正直言って何も言う権利の無い立場であろうけれど、ドラマ的に批評するとすれば、こういう事に頓着する人々がいまだにいることは、ちょっと不思議な感じもする。するけれど、やはり独身女性の部屋に深夜まで出入りするおじさんは、なんだかあり得ないのは確かそうにも思う。下着などの問題もあるし、派遣する会社としても、少しくらい問題意識があっても良さそうである。もちろん独身男性が家政婦を雇う場合であっても、相手がセクシーすぎるなどすると、問題があるということにはなろうが……。
 勤めているが製薬会社だから、顧客が医者で、それがまたイケメンの独身男性だったりもする。仕事も頑張るが、恋の対象にもなり得る。ライバルも当然恋仲の対象になり得る。年頃の美しい女性周りは、なかなかに大変なのである。それで家でも仕事の準備のために調べものや勉強をして、朝は化粧したり服を整えたりしなければならない。当然ご飯もバランスよく食べて、同僚の指導もする。すべてを完璧にする必要が、いったいどこにあるのだろうか? 
 周りに求められているものもあるし、それにこたえるだけでなく、自分自身もそうありたい姿がありそうだ。そこのところが何となく僕には分からないだけのことで、おそらく若い女性には共感のあるところなのだろう。そうしなければ、この物語は成り立たない。しかしそれは極めて夢物語に僕には思える。まあ、それでいいのだろうけれど……。
 もちろんナギサさんも幻想である。こんな人は、おそらく日本には存在しない。だからこそ、ドラマには存在価値がある。そういう風に物語は観るべきなのである。でもまあ、料理を上手く作るってのは、なんとなく憧れるな。それを美味しいと言って食べてくれる人がいるというのは、しあわせそうである。これは男女に関係なく、そういうものなのでは無いだろうか。
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