カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

定期便でお願いします   きのう何食べた? 2022正月スペシャル

2024-06-18 | ドラマ

きのう何食べた? 2022正月スペシャル

 スペシャルの内容は三部構成になっていて、それぞれお話は独立している。一部目は,史郎の実家の家計事情があまりよくなく、堅物の父親から仕送り(後で返すとは言われるが)をするよう頼まれる。これには事情があって、母親が度重なる浪費を長年にわたり繰り返していたためらしい。しかしその理由が、史郎が同性愛から目覚め(そのように母は捉えていたということ)るために、悪徳業者から怪しい壺や宗教団体への貢ぎ物などをやっていたためだということを、史郎は知っていた。複雑な心境がありながらも、それは自分の所為だという気持ちもあるのだった……。
 第二部は同じゲイの友人カップルの小日向と航くんの、マゾ的恋愛の在り方講座である。献身的にわがままを受け入れることに快感を覚える小日向と、自分を安売りせず、相手をコントロールしながら束縛することに快楽を得られる航との、その関係性に呆れさせられることになる。
 三番目は、弁護士の仕事が超絶忙しくなった史郎に代わって、賢二が家計を任され日々の料理をすることになる。うっかり浪費しそうになりながらも、なんとか史郎のようなやり繰りを果たさそうと奮闘する。しかしながら史郎のあまりの忙しさのために、二人は完全にすれ違いの毎日となってしまう。そうして、とうとう爆発して好きなものを贅沢して作ろうと、逆転して思い至るのだったが……。
 三作ともなかなか構成的に素晴らしい。つれあいは一度見たはずであるというが、僕も実はそんな気はしないではなかったが、実のところその顛末がどうなるのかよく覚えていなかったので、問題なく楽しめた。ゲイのカップルの物語なのだが、基本的に男女のすれ違いと何ら変わりはない。ゲイであることの社会性というものに、おそらくもっと強い圧力はあるのだろうとは考えられるが、コメディなので、それは自然に描かれた世界観になっている。観ている方も了解できているので、うーん、そうだよなあ、という共感をもって観られるわけである。その上に料理のコツのあれこれも分かる。アサリは砂抜きして冷凍保存して使えるのである。加熱するとちゃんと口も開く。なるほど。
 そういう訳で、また久しぶりに楽しんだということになる。こういうドラマは、なんとなくお得感がある。知識も増えて良識も高まる。実際はどうなのかわからないけど、定期的に続けられていくべき物語なのでは無いだろうか。
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