カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

キモカワってやつなんだろうか   マルセル 靴をはいた小さな貝

2024-06-11 | 時事

マルセル 靴をはいた小さな貝/ディーン・フライシャー・キャンプ監督

 実写とストップモーションアニメを交えての映像、という事らしい。もともとユーチューブに短編をあげていたものが話題になり、そういうものをまとめた形で長編映画化したとされる。小さな貝のマルセルは目玉があるだけでなく、靴を履いている。おしゃべりで、さまざまなことを自分語りしてくれる。それを映像作家がドキュメンタリ―としてユーチューブにあげたところ評判になるという、疑似ドキュメンタリっぽい展開である。そもそもこの家にはマルセル以外には彼の祖母がいるきりで、仲間がどこかに行ってしまったらしい。ネットに自分をあげて話題になったのはいいが、それは本来ほかの家族を探すためだった。しかしネットで話題になったところで、住んでいる家を特定されて写真を撮る人で煩わしくなっただけで、事態はむしろひどくなってしまった。しかしあるインタビューをきっかけに、過去の記憶などをたどって、家族が離れたいきさつをじっくり探っていくと……。
 そういう物語であるが、基本的にマルセルの自分語りと、この小さな貝が、小さいなりに知恵を絞ってあれこれやり遂げたりする工夫のある映像を楽しむものになっている。ストップモーションアニメなので、細かいコマ撮りをしているはずなのだが、雨の実写映像と混ざっていたりなど、なかなか工夫の跡がある。いったいどうやって撮っているのか、にわかには分かりにくいものもある。そういう神業ともいえる工夫が随所にあって、その上にマルセルが可愛らしいのである。小さいだけでもかわいいのに、ゲロを吐いてもかわいいのである。ちょっとしつこいけど……。
 確かに最後の方では、なんとなく感動もできる。なるほど、こういう事になるのか~、という感じなんである。
 しかしながらこれが名作と言えるのかと言えば、苦労は買うところだが、まあ、よく出来た小品という趣だ。非常に私的だし、そうして詩的なのである。ポエムと言ってもいいし、そういう雰囲気を、温かい視線を送りながら観るということになる。日本的なアニメとは、また一線を画したオタク的なところがあって、そういう文化比較もできるかもしれない。なんとなくだが、オタク文化も、やはりお国柄でずいぶん違うものである。可愛いのだけど、なんとなく気持ち悪いところがあって、そういう意味では人を選ぶ場合もあるのではなかろうか。
コメント
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