カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

移住は何処に。

2022-04-25 | net & 社会

 職種はある程度限定されるとはいえ、テレワークが当たり前になって、事実上どこに暮らしていても働ける時代になった。そうならなければならなかった理由はともかく、そもそもいずれはそうなるものだと言われてはいたものの、前倒しになったということかもしれない。そうしてそれなりの時間が経過して、果たして多くの人が田舎に移り住んだのかということになると、本当にそうなったのだろうか。
 それというのも、都会の生活の息苦しさから逃れて、自宅でのびのびと仕事をするというイメージが何となくあって、都心から離れて仕事をする人が増えるのではないか、という話がずいぶん聞かれたものだからだ。実際に移り住んだという話も随分聞くのだが、しかし身の回りを見渡してみて、そんな人がいるのかしらん。
 いや、二三はそういえば知っているが、いわば別荘みたいな感じなのか、いつも住んでおられないようなケースしか知らない。またはまちおこしの地方自治体勤めのような人だったりするような気もする。本当に都心や都会の仕事をつづけたまま移り住んできた人ってどれくらいいるのだろうか。
 確かに企業によっては、都心の高い賃貸事務所を引き払って地方都市などに移転したり、社員が常時通勤するわけではなくなり、小さい事務所に間借りし直したりする動きがみられるという。では都心のオフィスの賃貸料が大きく下がったのかというと、必ずしもそんなことはないようだ。もちろん賃貸料を下げて別の企業を誘致する不動産もあることだろうけれど、やはり空きが出たら新しく入る企業はあるのではないか。そもそも人気があるから高い値段でも入る企業がいるわけで、そういう企業が数社抜けたとしても、新たな借り手はいるのではないか。
 また地方などに移転したり移住したりする人が増えたと言っても、実際には東京であるなら関東圏の県であろうし、さらには県庁所在地などの小都市部であろう。徳島などに移住して話題になったところも見た覚えはあるが、むしろ珍しいので繰り返し取り上げられ話題になったのではなかったか。いわゆる本当の田舎といっても、本当の過疎のまちなどにはやはり人は移り住まないし、よっぽどの変人でなければ移住はないはずだ。過疎のまちが活性化するほどのことは考えづらく、あくまで少しの人が移り住むだけで、本当に珍しいことだろう。
 なんだかどよーんとすることを書いてしまったような気がするが、結局は、そこそこという街や、やっぱり何らかの生活の上で、文化的で住みやすいところでなければ、難しい話だろう。そういうところは、そもそも人が減り続けているようなことはこれまでもあまりなかったり、何か住むことの魅力が誰にでもわかるところであるだろう。つまるところそういうところでなければ、テレワーク以外の生活のメリットがない。地方の厳しい現実がどうにもなりそうもないことは、今後も引き続き変わりそうにないのではないか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする