カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

青春と過去の影   アオハライド

2022-04-18 | 映画

アオハライド/三木孝浩監督

 原作の少女漫画があるようだ。女子の仲間から嫌われるのが怖いために、なんとなくガサツな性格を演出して学園生活を送っている女子(双葉)がいる。そこに中学時代に突然転校して会えなくなっていた田中君と出合う。田中君はずいぶん大人びているように見えて、さらに過去の田中君とはずいぶん違っている様子だ。田中君との付き合いの中、新しい友人も増え、双葉は自分の性格を取り戻していくが、いわゆる女子の仲間からは外されていくのだった。田中君との新たな付き合いを取り戻す中、田中君の空白の日々も徐々に明かされていくことになるのだった。
 まあ、少女漫画なんだよな、という展開。ものすごくいい男から好かれている反面、男には問題があって、その過去からも安易に逃れることができない境遇である。そこに新たな恋のライバルが現れたり、友情があったり、なかなかの青年に好かれたりする。純粋な思いは持ち続けているものの、影響を受けて心揺れ動くわけなのである。
 これでも若い頃なのだろうか? 東出昌大が出ていて、いくら何でも学生としては大人すぎるなあ、という感じ。でも男としてははっきりしなくていけ好かない奴だ。こういう人間は人類の敵かもしれない。
 まあ他にも高校生としてはどうかな、という人はいないではないが、おおむね青春時代なのかもしれない。今時の現役の人々のことは知りようがないけれど、役者さんたちが演じる学校生活というのは、あんまり勉強もしてないから(でも頭のいい人はいる)全体的にとても楽しそうである。
 主人公の女の子は、ヒロインだからみんなに好かれる自分である。ガサツで男の子には媚びないことで、グループの仲間でいられるという設定なんだけれど、当たり前だが女優さんの器量というものがあり、そういう立ち位置が難しい感じに思えるのである。これは仕方ないのにあえて言っているのであって、少女漫画のヒロインを実写でやる場合の大きなハードルのように思える。以前なら眼鏡をかけさせて、外すと「可愛い」というのができた。しかしこの子は最初からかなり活発で目立っていて、別段男子に媚びる必要なくモテる段階に立っている。いちおうお話の流れでお約束理解するより仕方ないところがあって、どうなんだろうな、という感じだろうか。かといって可愛くないヒロインに一番に感情移入などしない訳で、本当にこういうのは難しい問題のように思える。学園モノ以外はそんなに気にならないのに、どうしてそんなことを感じてしまうのだろうか。
 ということで、面白いが、期間限定かもしれない。
コメント
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