カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

捨てるべきは、何を?

2020-07-07 | Science & nature

 そもそもレジ袋の材料であるポリエチレンは、石油を精製する際にできるナフサを原料にしている。ポリエチレンを作ること自体は、だからリサイクルのような側面がある。余って使えないようなら捨てるだけだからだ。
 今回の有料化による最大の目的は、レジ袋を減らすインセンティブのために料金を課すということらしい。実は海などに漂着しているプラスチックごみの中に占めるレジ袋の割合は、0.3%といわれている。ペットボトルは12.7%だということなので、ペットボトルの100分の2程度ということだ。ふつうに考えて、このような政策の実施がプラスチックごみの削減に対して、何の意味があるのかさえ不明であるレベルといっていい。聞くところによると、ポリ袋を作っている会社のほとんどが地場の中小企業で、単にスケープゴートにされていじめられているだけであるという。レジ袋の有料化というのは、地元に根差したまじめな企業を、社会的にいじめて遊ぶ行為に等しいということだ。彼らにだって家族はいる訳で、いったい誰が責任を取るというのだろう。
 さらに可燃物ゴミには一定量のプラスチックごみが無ければ、うまく燃えないのだという。燃えない場合は重油などを混ぜて燃やさなくてはならない。そもそも東京などは、すでにプラスチックごみなどの分別さえやめている。分けるからゴミとして問題が出るが、一緒に燃やせば何の問題も起きないからだ。
 勘違いしている人も多いことだと思うが、このようなプラスチックごみのリサイクルには、大きなコストがかかり、その分ふつうにプラスチック製品を作るより大きなカロリーを必要とする。リサイクルすることは、環境により大きな負荷をかけるということなのだ。
 ただし、僕自身はマナーや生活様式の上で、プラスチック製品にばかり頼らないという考え方には賛成する部分はある。たった一つ物を買うのにポリ袋をもらうようなことをする必要は無いし、ゴミ箱以外に捨てられたポリ袋がそこらに舞っている状態は見苦しい。買い物客の資質として、レジの店員とはちゃんとコミュニケーションをとって意思表示を明確にすべきだと思うし、ゴミはちゃんとごみ箱に捨てるという最低のマナーは守るべきだ。その上で、自分が好ましいと思うのなら、自分の買い物袋を携帯するなりの生活スタイルを貫けばいい。人の好みなどに介入するような、さもしい心こそ捨てるべきなのだ。
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