カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

ハチャメチャなカッコよさのあった時代   ダーティハリー5

2020-07-04 | 映画

ダーティハリー5/バディ・ヴァン・ホーン監督

 街の有名なギャングを捕まえたことで一躍時の人となっているキャラハン刑事だったが、刺客には命を狙われ、マスコミ騒動には巻き込まれるなど、迷惑をこうむっている。そういう中で映画の撮影中にロックスターが大量麻薬接種で死ぬ。これが他殺であるようで、実は連続殺人の布石となっているのだった。
 若いころのリーアム・ニーソンやジム・キャリーなどが出ていて、それなりに感慨のある作品になっている。後に彼らは大スターになるが、こういう映画にも出ていたのだ。ちょっとした若造として対比的にも効果があって(ジム・キャリーはいつまでも馬鹿だけど)、この世にして世代交代が進んだのだという歴史も感じられる。
 ドンパチは派手だし、今ではちょっと考えられないくらいいい加減に強すぎる刑事の活躍が描かれている。強引にむちゃをやりながら、しかしそれがそれなりにうまくいくので爽快になるという演出なのである。
 さらに字幕では分かりえない会話の妙のようなものがあるようで、科白の掛け合いにいくつも強がったひねりのある応酬を楽しむというのがあるようだ。粋な江戸っ子の強がった科白回しのようなものを、サンフランシスコの強がりたちもやっているということなのではないか。まあ、そういう例えでは分かりにくいかもしれないが、英語の分かる人なら、そういう表現の面白みも、見どころの一つになることだろう。
 今となってはさすがに古いのだが、その古さというのが、その頃の新しさのようなものであることに気づく。サンフランシスコの明るい日差しの中にあって、ローラースケートや、ホラーの映画や港町の倉庫などが混然と一体化して、坂道の多い街でカーチェイスが繰り広げられる。なかなかよく撮られているものの、古いなあ、という感慨も抱く。それくらい流行というものの流れというものは、儚いものなのであろう。
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