疲れない脳を作る生活習慣/石川善樹著(プレジデント社)
副題「働く人のためのマインドフルネス講座」。どちらかというと副題に目が留まり読んだ。マインドフルネスは言ってみれば「今ここに集中」する方法。その一つとして瞑想があるわけだが、もちろん瞑想法も書いてあるけど、この本の中心はその前の姿勢のようなものにあるようだ。いろいろな場面で、それに合った姿勢をつくることができると、習慣としてマインドフルになりやすいのかもしれない。
集中を妨げるものとして、イライラを防ぐということもある。瞑想で扁桃体が小さくなることが分かっていて、そうなるとストレスホルモンであるコルチゾールに反応しにくくなる。科学的に瞑想でマインドフルネスをすることのもっとも合理的な利点はそこである。これは様々な本と同様で、まあ、やってみてください。
そうしてやはり睡眠が最初。個人差はあるけど、短くていいという方法はそもそも論外。自分に適した時間ということであれば、眠たくならないが基準だろう。しかし平均は侮れなくて、その程度は目安にはなるから、計画として、スケジュールにまずは睡眠時間を中心に考えろ、という。まあ、確かにその通りで、スケジュールには仕事の予定とかやるべきこととかそんなことばかり書いているのが普通だろう。またそうすべきという方法論が一般的だ。それはそうとして、自分の欲する睡眠時間のために寝る時間と起きる時間を先に決めておくというのはその通りだろう。まあ、あまりとらわれ過ぎてストレスにならなければいいんじゃなかろうか。
座り方や姿勢も決めて、しかし座り過ぎない。連続して座らないために座っている時は水をよく飲むようにする。そうしたら自然にトイレに行く。本は立って読む。お腹をひっこめる(一定時間)。ダイエットにもなるんだって。
イライラしないためには血糖値を一定にする。三食はもちろんだが、間をあまり開けないようにする。でも食べすぎないように(当たり前だ)。やるべきことが決まっているので、時間通りに終わらせようとするお母さんのようになりなさい。そうして手を洗うときには、石鹸を使う。要するに小さいことをないがしろにするような人は、集中できない、ということにもつながるのかもしれない。食べるのはゆっくり味わって食べて、しかしダラダラしない。
最終的に満ち足りた気分で眠りにつく。また明日もそのサイクルで。まさに理想的である。
繰り返し言っているのは、しかしこれは方法では無く、注意の向け方である。要するにマインドフルネスだ。本質を大切にすることを言っている訳だ。まあ、それだけ人間は忘れっぽいのかもしれないですね。