ギター弾きの恋/ウディ・アレン監督。ショーン・ペンがいい感じ。伝説のギタリストの伝記的映画っぽいが、架空らしい。ジャズ・ギター奏者として調子に乗っている愚かな男を描いている。そうして本当に大切な愛とは何かも。映画として素直にいいのではないか。自分なりに素直なつもりでいきがって生きていても、自分を見失うことはある。そうしてそれは過ちで済むことでは無いのかもしれない。その代償は、結局自分が背負うことになるんだろう。
シャイン/スコット・ヒックス監督。ジェフリー・ラッシュの演技が凄い。後にいろんな役をするようになるが、僕はこの映画の演技は、演技でなく本当なのかもしれないと見たときは思ったものだ。このようなピアニストがいるらしいことは聞いたことがあって、多少はもとになっているのかもしれないと思わせられる。緊張感もあって、いい映画である。
ダンサー・イン・ザ・ダーク/ラース・フォン・トリアー監督。変態監督の代表であるトリアー監督の問題作。というか、この監督はまともな映画なんか撮れるんだろうか? いや、だから素晴らしい訳だけど。ビヨークの天然のイライラするような演技と絡まって、賛否両論真っ二つの、毀誉褒貶の激しい作品になっている。でも実は僕はこれはいいと思う方で、衝撃のラストというが、まあ、この人たちならこうなってしまうのではないか。童顔で可愛らしいビヨークだが、実はしたたかで悪女なんではないかと僕は思います。もちろん、それがいいのです。
ハッスル&フロウ/クレイグ・ブリュワー監督。黒人のアンダーワールドってこんな感じなのかな、って思わせられる。この価値観はまったくいいとは思えないが、これがしびれるほどいいと思っているらしい人たちがしのぎを削って命をすり減らすようなことになっている。でもこれが面白いのも確かで、緊張感もあっていいと思う。米国にはラップを題材にした映画は多いが、商業的にあまり成功しなかったこの作品は、埋もれた名作と言えるのではないだろうか。
フォーチュン・クッキー/マーク・ウォーターズ監督 いわゆる入れ代わりもの。それも母親と娘が。これで問題が起きないわけが無くて、ドタバタしてしまう。そういう中でバンドが結構重要な位置を占めていて、実際にこの若い役の女優さんの見せ所になっているという仕組みである。そういう意味ではプロモーションを兼ねた映画のようにも思える。まあ、楽しめるのならいいか、という感じですか。