カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

赤い河のそばは彼らの土地   赤い河

2016-03-04 | 映画

赤い河/ハワード・ホークス監督

 BS放送を録画していた。ずいぶん前にこの作品が大傑作であるとした文章を読んだ覚えがあって、確か廉価版を購入したこともあったように思う。しかしそのまま行方が分からなくなって、つくづく縁のない作品だと諦めかけていたが、このように再放送の機会があってやっと見ることが出来た。探し求めていたわけではないけれど、20年以上忘れながら気にかけていた作品と言えるかもしれない。
 西部開拓史時代に、牛飼いが牛を引き連れて現地人の土地を荒らして棲みつき、しかし牛が増えたが新たな売り先を求めて苦難の大移動を成し遂げ、しかし仲間割れして身内同士殺し合いになりそうになって和解するストーリー。かなり端折ったが、まあ、そんなようなものだった。
 今となっては信じられないような蛮行を繰り広げるわりに、何の罪の呵責も感じていない感じが、時代を映す鏡としていいのかもしれない。白人も襲われるが、だからといってその復讐でまったく関係のない現地人を簡単に打ち殺す。また仲間であっても気に入らなければ殺してしまう。弱肉強食が西武時代だったということかもしれないが、ちょっとなんだこれは、という違和感がぬぐえない作品ではある。当時はこれが痛快な娯楽だったということがにわかには信じがたいが、それだけ僕も現代病に洗脳されているということなのかもしれない。
 最初は圧倒的に主人公と思われていたジョン・ウェインが、どんどん凶悪化して仲間外れになり、カッコいいだけの優男モンゴメリー・スイフトが、もっといい奴になって、そうして結局西部開拓時代であっても女は昔から強かったということで大団円を迎える。変なお話しながら、なかなか面白くはあるのだった。大傑作だと思う人がいてもいいが、やはり時代に埋もれるべくそうなった作品だったのかな、とは感じた次第である。そういう時代もあったのだな、ということで確認のつもりで見る分にはいい作品かもしれない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする