カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

二択問題ですらないが…

2016-03-23 | HORROR

 今夏までには参議院選があるらしく、さらに衆参ダブル選挙になる可能性も出ている。選挙の話題は、あんまり気色の良いものばかりではないから比較的に遠慮していたが、これの争点というのも、マスコミ的には面白くないものが多い。いったい何を見ているのか。
 まあそれはいいが、与党がもっとも情けないのは消費税問題で(しかし野党も増税には反対らしいが)、景気を理由にまた消費税増税を先送りにするようなことを言ったりしている。このような問題の先送りこそが今ある問題をさらに大きくしてきたわけで、将来においてはもっと大きな困難があるというのに。
 財政の問題は、今手を打たなければ、と言われ続けて既に数十年にはなる。恐らく30年くらい前に少しだけ手を打っていれば、ここまでは酷くならなかっただろうが、そんなに昔でなくとも、10数年前くらいなら、大変に痛みがあったとしても、まだ何とかなるようなところがあった可能性はある。今となっては既に選択すら実際には残っていないが、さらに事実を曲げてまでも無理な選択をしようとする。これが政治だというのはおこがましくて、そういう問題にも手を付けるのが諸外国の例を見るまでも無く当然なのだが、しかしまだ逃げようとしている。説得をするのが政治的な手腕であるから、事実を見て国民に対して語るべくは逃げる理由なのではない。
 しかしながら既に、もう打つ手は考え付かなくなっているのだろう。無理をすると批判されるが、破綻すると誰も責任を取らなくていいという理屈なのだろうか。
 ここに至っても(このままで)日本の財源は破綻しないと言っている人もいる。個人的には憶えのないことだし実感のない人が多いというのは理解できる。しかしながら借金を返さなくてもいいというのは倫理の問題でもなく、制度としてはあり得ないものであって、さらに一千兆円も越えるという額になってなお、その借金額が増え続けている現実を前にして、本当にそういうことを信じていられるというのが僕にはよく分からないのである。仮に財政が健全化して、毎年借金の元本が1兆円ずつ減らせるようになったとしても、要するに1000年以上返済の時間がかかる。どのみち僕らが生きているうちにはどうにもならないのだから、無理に苦しんで財政支出を絞るようなことをしたく無いというに過ぎないだろう。
 増税を先送りにすると、そのような破綻しても良い(もしくは健全化を諦めた)というサインと市場が捉える可能性もある。それすらも上手くかわせたとしても、さて、本当にあと十年がどうなるか。
 最悪は望んではいないが、それを待つというのは本当につらい。破綻するかしないかという二択問題では無い。何故なら破綻しないを証明するのに破綻しなければ証明できなければ、手遅れに過ぎないからだ。今や破綻しないとは考えにくくなっているものの、そうならないようにするしか道が無いだけのことだ。単に将来のことを真剣に考えよう、という問題に過ぎないかもしれない。でも、やっぱり考える人が少ない。政治の判断力というのは、そういう見方を指しているのかもしれない。
コメント
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