僕は普段はテレビは批判ばかりしている。じゃあなんで見るの? 問題はあるが、テレビは見るものなのである。で、やはり録画して見る。
その録画する番組の9割9分はNHKなのである。報道は最悪の偏った思想が癪に障る放送局だが、いいものは、というより見たいものは、これに集中しているためだ。
で、コウケンテツを見る。よく泣く人だよ。でもそれで、もらい泣き。よく分かるんだよね。今は以前のアジアの旅の焼き増しだけど、コウテンケツは素晴らしい。いや、現地の料理が素晴らしいのだが、コウケンテツの涙で、その素晴らしい味が分かるのだ。本当は日本人の口に合うようなものではあるまい。でも、この味は、涙が出るような人でないとわからない味なのだ。本当に素晴らしい旅とは何なのか。そういうことを考えながら見ている自分がいるのである。
ほかに欠かさず見ているのは数多いが、「デザインあ」も素晴らしい。
僕は見ていて時々やはり泣きたくなる。それで思い出すのはコウケンテツ。通じるものがあると思う。それが何かは良くわからない。でも、その視点の多くは似ているものがあると思う。こういう番組を、いわば面白がって作っている現場がある。そういうこと自体が、いいなあ、と思う。そして泣きたくなるのかもしれない。
それは、やはり本当には王道ではないかもしれない。でも、ちゃんと同じようにいいと思っている人が多いからこそ成り立つ世界ではないだろうか。そういうものを信用できるから、何とか僕もバランスをとって、生きていこうかな、という勇気がわく。大げさだけど、そんなような感じが僕のテレビの時間ということなのかもしれない。